我々には直感的に理解できない単語が用いられることが多いコンピューターの世界。新たに登場するWindows 8を踏まえつつ、Windows OSで用いられる単語(=キーワード)を個別にピックアップし、詳細な解説をお送りする。今回取り上げるキーワードは、簡易的なファイル共有環境を実現する「ホームグループ」だ。
Windows 8キーワード一覧
「カーネル」とは
「プライベートネットワーク」とは
「レジストリ」とは
「ピン留め」「ジャンプリスト」とは
「デスクトップ」とは
「タスクバー」とは
「エクスプローラー」とは
「Windowsストアアプリ(Windows Store app)」「デスクトップアプリ(Desktop app)」とは
「チャーム(Charm)」とは
「スタート画面(Start Screen)」とは
「タイル/ライブタイル(Tile/Live Tile)」とは
「アプリバー(App Bar)/ナビゲーションバー(Navigation Bar)」とは
「ホームグループ(Home Group)」
Windows 8が備える複数のコンピューター間で、ドキュメントフォルダーやプリンターなどを共有する機能を指す呼称である。以前のWindows OSは、NetBEUIというSystekが開発したNetBIOSを、さらに自社拡張したプロトコルをベースに運用する「Microsoft Networks」上でファイル共有を行っていた。
その後はインターネットの普及によってTCP/IP(NetBIOS over TCP/IP)に置き換わり、Windows XP以降は標準プロトコルから取り除かれている。このような背景からWindows 8でも、コンピューター名のネットワーク上への登録や取得はNetBIOSによる名前解決を行うコマンドが用意され、コンピューター間のコンピューター検出を難しいものにしているのが現状だ(図01)。
Windows OSにおけるネットワークの実装は、このような背景と現状があるため、ある程度ネットワークに関する知識を必要とするが、利便性の高い共有フォルダー機能を一般的なユーザーでも使用できるように実装したのがホームグループである。Windows 7から搭載された同機能は、互いのコンピューターに保存されたドキュメントや、一方のコンピューターに接続したプリンターをもう一方のコンピューターで使用可能にする手順を簡略化したものだ(図02)。
これまではファイルやフォルダー、プリンターに対して個別に共有設定を施さなければならなかったが、ホームグループを有効にすることで、一連の操作を自動的に行うことが可能になっている。利便性は高いもののユーザーアカウントベースで接続を行う従来の共有フォルダーアクセスと衝突する部分が多い。
Windows 8では若干改善されたようだが、共有フォルダーの参照をホームグループ機能と併用する場合は、「ネットワークと共有センター」のナビゲーションウィンドウにある<共有の詳細設定の変更>をクリックすると開く設定画面から、<ユーザーアカウントとパスワードを使用して他のコンピューターに接続する>を選択するとよい。ただし、各コンピューターに同一のアカウントが必要となる(図03~04)
阿久津良和(Cactus)