野生動物の研究、保護、飼育、および保護のための教育を目的としたNPO・成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地は、11月20日、パンダの母と娘が四川省成都市郊外にあるパンダバレー(パンダ渓谷)に放されたことと、国際NGOワイルドエイド(WildAid)と共同で行っている「2012年パンダ大使プログラム」において3名のパンバサダー(パンダ大使)を正式に任命したことを発表した。
パンダの母と娘が野生化プログラムに参加したのは、今回が初めて。成都パンダ基地の野生化プロジェクトの責任者を務めるチ・ドンウ博士によると、今回の試みにより、パンダが野生の生息地に順応するためには何が必要かをさらに理解できるようになるという。
母パンダのチ・ゼンは13歳で体重は106キログラム。娘パンダのゼン・ゼンは2011年8月4日生まれで体重は40キログラム。母と娘は、健康や遺伝的背景、また適応能力の高さなどから今回の野生化プログラムに参加することになった。
また、絶滅の危機にひんしているパンダへの認識を高めることを目的とした「2012年パンダ大使(パンバサダー)プログラム」では、パンバサダーを決定する準決勝・決勝が中国の成都にて開催された。
これにより、フランスのジェローム・プイエ氏、米国のメリッサ・カッツ氏、中国のチェン・インロン氏の3名がパンバサダーに任命された。3名は、それぞれ優勝賞金2万ドルを獲得するとともに、これから1年間パンバサダーとしてパンダ保護活動に取り組むとのこと。