Mozillaは、11月20日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなる「Firefox 17」をリリースした。本稿では、インストール手順や新機能などを紹介したい。また、履歴を消去する「Clear Recent History... +アドオン」についても紹介しよう。

「Firefox 17」のインストール

Firefox 16からのアップデートは、Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始されるので、[再起動して更新を完了]をクリックする(図1)。もちろん、自動更新も行われるが、すみやかにアップデートするなら、この方法が確実である。

図1 Firefox 17へのアップデート

初めて、Firefox 17をインストールする場合、Firefox 17のWebページからインストーラーをダウンロードする(図2)。

図2 Firefoxのダウンロードページ

[Firefox無料ダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図3)。

図3 Firefox 17のインストール

Firefox 17の新機能

さて、Firefox 17の新機能や変更点を紹介しよう。

  • Facebookメッセンジャーをソーシャルプロバイダとしてサポートする、Social APIが実装
  • 脆弱性の知られているプラグインに対してはClick to Play機能が有効になり、ユーザーがクリックするまで読み込まれない
  • 表示されるアイコンを大きくしロケーションバーの使い勝手を改善

また、Mac版では、Mac OS X 10.5のサポートが終了した。Social APIであるが、実際に利用するには、Firefox用メッセンジャーのページで、[利用する]をクリックする必要がある(図4)。

図4 Firefox用メッセンジャーのページ

この機能を使うと、Firefoxの画面右側に、Facebookのアクティビティを表示するサイドバーが表示されるようになる(図5)。

図5 Facebookメッセンジャーのサイドバー(Mozilla Japanのブログより、β版)

デフォルトでは、上部にニュースフィードの新着情報、下部にチャット可能な友人の一覧が表示される。さらにそこから、3つのアイコンを使い、メッセージなどを表示させることもできる。現時点では、Facebookメッセンジャーにのみ対応している。対応するSNSなどが増えていくことで、より便利に情報収集などが可能になると思われる。普段、こういったサービスを多用しているユーザーは注目したい。Click to Play機能自体は、バージョン14で実装されたものだ。今回、さらにセキュリティ的にも強化されたといえるだろう。残念ながら、該当するプラグインを用意することができなかったので、Click to Play機能がどう動くかだけでもご覧いただきたい。

図6 Click to Play機能

明示的にクリックを行わない限り、そのコンテンツが実行されることはない。ここではabout:configで、plugins.click_to_playを「true」に設定した。

開発者向けの新機能

続いて、開発者向けの新機能である。

  • JavaScriptのMapsとSetsがイテラブル(反復可能なオブジェクト)として利用可能
  • SVGのFillPaintとStrokePaintを実装
  • Webコンソール、デバッガおよび開発者用ツールバーを使い勝手を向上
  • ページインスペクタのマークアップパネルを刷新し、DOMを編集が簡単に

HTML5関連では、iframeのsandbox属性がサポートされ、セキュリティ向上が期待できるとのことである。

セキュリティアップデート

また、今回のセキュリティアップデートでは、16項目の脆弱性が解消された。特にもっとも重要度の高い「最高」は、

  • Address Sanitizerを使って発見されたバッファ解放後の問題(2件)
  • バッファオーバーフロー
  • メモリ破損
  • Style Inspectorを介したCSSおよびHTMLインジェクション
  • GIF画像処理におけるバッファオーバーフロー

の、6項目が含まれていた。すみやかにバージョンアップを行うべきであろう。

Firefox 17 ESR版もリリース

Mozillaでは、通常版では6週間ごとのアップデートを行う高速リリースとしている。一方で、法人や企業ユースでは、その頻度のアップデートが難しいといった環境も存在する。そこで、Mozillaでは、通常版とは異なる延長サポート版(ESR:Extended Support Release)を提供している。Firefox 17のリリースと同時にESR版もリリースされた(図7)。

図7 Firefox 17 ESR版のダウンロードページ

今後1年間はセキュリティ問題の修正を含む、マイナーアップデートが行われる。旧ESR版(バージョン10)を使っていたのであれば、バージョンアップを計画してみてもよいであろう。