Paul Otellini社長兼CEO

米Intelは11月19日(現地時間)、Paul Otellini社長兼CEO(最高経営責任者)が来年5月の株主総会を最後に退任すると発表した。後任は未定。これから半年を経営トップの移行期間とし、社内外から後任候補を検討するという。同社はまた、COO(最高執行責任者)のBrian Krzanich氏、CFO(最高財務責任者)のStacy Smith氏、ソフトウエア&サービスグループの責任者であるRenee James氏をエグゼクティブバイスプレジデントとする人事も発表した。

Otellini氏は1974年にIntelに入社。マイクロプロセッサ部門、グローバルセールスおよびマーケティングなど複数の事業部門をリードし、2002年にCOO(最高執行責任者)に就任。取締役にも加わった。2005年からCEOを務めている。

プレスリリースの中でOtellini氏は「Intelの舵取りを新しい世代のリーダーに渡し、次に進む時を迎えた」と述べている。同氏はAMDがAMD64で急成長した時期にCEOに就任し、プラットフォーム戦略を推進して、パソコン・サーバ向けのマイクロプロセッサ市場におけるIntelのシェアを盤石なものにした。しかしながら近年、タブレットやスマートフォンの普及の影響からパソコン市場が縮小傾向にあり、ARMベースのプロセッサが大きなシェアを占めるモバイルデバイス市場の攻略がIntelの課題となっていた。

IntelのCEOはOtellini氏まで内部昇格が続いており、外部から招聘したことはない。Otellini氏、そして前任のCraig Barrett氏はCOOからの昇格だった。そうした前例を踏まえると今年1月にCOOに任命されたBrian Krzanich氏が後任の有力候補になる。同氏は製造施設の責任者として、Intelの強みである製造技術の進捗を現場から支えてきた。新しい世代のリーダーとしての適性は不明だが、Intelのリーダーとしての適性は備えている。しかし、プレスリリースにおいて同社が「社内外から後任候補を検討」としていることから、米メディアはKrzanich氏を含む様々な候補を紹介している。例えば、Intelアーキテクチャグループを率いるDavid Perlmutter氏、Otellini氏がMBA学位を持つCEOであることからCFOのStacy Smith氏が昇格する可能性も指摘している。さらに外部からの候補として、IntelのCTO(最高技術責任者)だったPat Gelsinger氏(現VMware CEO)や、Motorola Mobility HoldingsのCEOだったSanjay Jha氏などの名前を挙げている。