我々には直感的に理解できない単語が用いられることが多いコンピューターの世界。新たに登場するWindows 8を踏まえつつ、Windows OSで用いられる単語(=キーワード)を個別にピックアップし、詳細な解説をお送りする。今回取り上げるキーワードは、タスクバーに特定のアプリケーションやWebサイトを固定表示する「ピン留め」と「ジャンプリスト」だ。

Windows 8キーワード一覧

「アプリバー(App Bar)/ナビゲーションバー(Navigation Bar)」とは
「タイル/ライブタイル(Tile/Live Tile)」とは
「スタート画面(Start Screen)」とは
「チャーム(Charm)」とは
「Windowsストアアプリ(Windows Store app)」「デスクトップアプリ(Desktop app)」とは
「エクスプローラー」とは
「タスクバー」とは
「デスクトップ」とは

「ピン留め(Pinned)」

ピン留め(Pinned)とジャンプリスト(Jump List)

使用頻度の高いデスクトップアプリやWebサイトなどを、タスクバーに固定し、デスクトップアプリの素早い起動や、Webサイトの参照を簡単に行うための機能を指す名称だ。ピン留めはWindows 7から備わった機能だが、同呼称はWindows XP時代から用いられており、スタートメニューにInternet Explorerのアイコン表示を抑制するエントリとして「NoStartMenuPinnedList」など、レジストリエントリでも確認できる。

Windows 8におけるピン留めは、Windows 7と同じくタスクバーに対するピン留めと、スタート画面に対するピン留めが可能。ドラッグ&ドロップによるピン留めやコンテキストメニューの項目として用意された<スタートにピン留め><タスクバーにピン留め>、アプリバーのボタンを利用することで、各アプリケーションやWebサイト、電子メールなどをピン留めすることができる(図01~03)。

図01 タブやファビコンをタスクバーにドラッグ&ドロップすることで、Webサイトをピン留めすることができる

図02 実行形式ファイルのコンテキストメニューには、スタート画面やタスクバーに対するピン留め機能が項目として用意されている

図03 Windowsストアアプリのアプリバーにも、ピン留め操作を行うボタンが用意されている

「ジャンプリスト(Jump List)」

ピン留め機能を補助するジャンプリストは、ピン留めしたアプリケーションやWebサイトのコンテキストメニューに相当し、使用頻度の高いファイルやWebサイトを列挙する領域を指す名称だ。

例えば毎日のようにアクセスするWebサイトがある場合、ジャンプリストに列挙されたWebサイトをピン留めすることで、Webブラウザーを起動してお気に入りなどからWebサイトにアクセスするという手間を省くことが可能だ。また、Webサイトによってはジャンプリストに対応し、特定の機能を「タスク」として同リストに加えることができる。同機能はWebサイト制作者側の対応が必要なため、ジャンプリストをサポートするWebサイトはあまり多くない(図04~05)。

図04 使用頻度の高いファイルやWebサイトの参照を容易にするジャンプリスト。ここでもピン留め操作が可能

図05 ジャンプリストに対応したWebサイトは、コンテンツを「タスク」として実行可能になる

阿久津良和(Cactus