ぱっと見は本物の焼き立てたこ焼き☆

お好み焼き、たこ焼きをはじめとした「粉もん」は、今や日本のみならず世界に知られる大阪名物だ。しかし、大阪はグルメだけではなく、物作りの歴史も深い。そのひとつが「食品サンプル」だ。

食品サンプル誕生の地・大阪

今から約80年前に、大阪市北区の岩崎製作所創設者、故・岩崎瀧三氏が、畳にこぼれたろうそくのロウの形から発想を得て、食品サンプルが生み出されたといわれている。つまり、食品サンプルは大阪で誕生したのだ。

そうなると、食品サンプルと粉もんが手を組んだら面白いのではないか……。と思った矢先、実際にタッグを組んだ商品をみることができる場所があるとの情報を入手。そこで、うわさの真相を確かめるべく、早速、道頓堀へと走った。

ド派手な看板が立ち並ぶ通りの真ん中にあるのが、コナモンフードテーマパーク「道頓堀コナモンミュージアム」だ。目指すはその3階、コナモンサンプル工房「まねき多幸」(要電話予約)。ここでは、大阪の食文化を支えてきた伝統の食品ロウサンプル作りを体験しながら、世界にたったひとつのオリジナルたこ焼きサンプルを作ることができるのだ。

お菓子を作るような感覚

早速、体験スタート。テーブルには、大小2つの型と竹串、紅ショウガにネギ、天かす、たこの食品サンプルが準備されていた。たこのサンプルは机に置かれているだけでおいしそうに見えるほど。

用意されているキット一式

感心しているところに説明が始まった。まずは大小の型に、ネギ、紅ショウガなどの具材を配置していく。「この具材の配置の仕方にすでに個性が出るんですよ」、とスタッフ。

続いて、スタッフが温めておいてくれたロウ液を型に流し入れる。しばらくするとふちにうっすらと膜ができてくる。そうなれば、竹串で膜を傷つけないようにしながら中の固まりきっていないロウ液を捨てて、氷水で膜を冷やし固めるのだ。

きっちり膜が固まったら、大きい方の型はロウ液がこぼれるぎりぎりまでロウ液を入れ、小さい方の型にはロウ液を半分くらいまで流し入れる。

まるでお菓子作り!?

そして、再び大小ともに氷水で冷やして、小さい型の方にはロウ液を少しだけ入れる。続いて、ロウが固まらない内に、あらかじめ準備されていたネギ、天かす、紅ショウガ、たこなどをトッピング。この他にも、しめじやいくら、エビといったトッピングも別料金で追加できる。

そのままサラダを作れちゃいそうなラインナップ

今回は秋をイメージしてしめじをトッピングすることにした。トッピングがデザインの命と言っても過言ではない、ここはこだわりをもって集中すべし……。

トッピングが完了したら再び氷水で冷やし固める。今回は少し固まるのに時間がかかるとのことで、ここでおもむろにクイズタイムがスタート!!

参加無料のクイズに正解した方の中から抽選で、なんと「たこ家道頓堀くくる」のたこ焼き粉やソースなどがセットされた「たこ焼きの素」がプレゼントされるというのだ。こちらも必至だ! あれや、これやと答えに悩んでいるとロウがしっかり固まった。

ソースはうっすらと塗るのがおいしく見せるコツ

ここで、サンプル作り史上もっとも気持ちよい瞬間である、型からサンプルを取り出す工程に突入。サンプルをプルンと押し出す快感はなんとも説明しがたいが、ぷっちんプリンを押し出すあの感覚と似ているといったらお分かりいただけるだろうか。

大小ともにしっかり取りだしたら、表面に焦げ目の色付け。さらにソースを塗るのだが、ここでソースを塗り過ぎないことが最大のポイント。うっすら下の具材が見える位に塗ることで、よりおいしそうなたこ焼きとなるのだ。

次に、透明のマニキュアを塗ってコーティングすればテカリが増してとってもきれいな仕上がりに。さらにお好みで、青のり、かつお節をトッピングすれば、超おいしそうなたこ焼きサンプルの完成だ!!

筆者渾身の作!

なんと、約45分間で同時に2つのサンプルを完成させることができた。今回は2人で同時にサンプル体験を行ったのだが、やっぱり出来にかなり個性が出ている。

完成したサンプルは、コナモンミュージアムオリジナルのミニチュア木舟(きふね)とプラスチックケースに入れて持ち帰ることができる。

大阪ならではの粉もんの食品サンプルは、お土産にもおすすめ。体験を楽しんで、旅行から帰宅後に友だちにプレゼントして喜んでもらえば一石二鳥! 「今度一緒にたこ焼きでも食べに行きませんか?」、なんてメッセージを添えて意中の相手に渡すのもありかも!?