2013年1月23日に公開される映画『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』に出演する岸谷五朗が、劇中の特異なキャラクター、中年男性の太田を演じている。
阿部寛主演、行定勲監督が初タッグを組んだ本作は、直木賞作家・井上荒野の同名小説を原作に映画化したもので、艶という性に奔放に生きた謎の女性と、艶を取り巻く男と女のさまざまな愛の形を描いた作品。複数のストーリーが交錯していく群像劇ような構成で、小泉今日子、野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶ、といった豪華女優陣が共演することでも注目を集めている。
岸谷が演じる中年男性の太田は、野波の出演シーンに登場。大地主の長男で引きこもりである彼は、髪はセンター分けに首元まで伸ばしたボブカットで、丸めがねに着流しという一見して異様な風貌をしており、ボソボソとつぶやくように話す。劇中で大田は、不動産屋の仕事を通じて橋本湊(野波麻帆)に好意を持つことになるが、自分の気持ちを素直に表現できずにいる。ある晩、賃貸契約の報告に訪れた湊に対して太田は「僕、真珠が入ってるんだ」と告白。突然の告白に唖然とする湊だったが、二人の関係は急速に深まっていくことになる。
湊の職場の店先でちょこんと座り込み、湊が戻ってくるや無表情だった太田が笑顔を見せるコミカルなシーン、元妻・艶の危篤を知った時に見せる落ち着きをみせながらも驚きや戸惑いが入り混じったシリアスなシーンなど、多種多様な表情を見せる岸谷。彼が演じるからこそ、不気味さがあり、かわいらしくもあり、時に女心をくすぐる太田というキャラクターが成り立っており、劇中でも強烈なインパクトを残す人物に仕上がっているという。
(C)2013「つやのよる」製作委員会