カシオ計算機のコンパクトデジタルカメラ、EXILIMの最新フラッグシップ「EX-ZR1000」(以下、ZR1000)がついに発表された。新しい本体デザイン、UIの刷新、180度チルトアップ式バリアングルモニタの採用など、従来のZRシリーズとは大きく印象を変え、また、従来機EX-ZR300の約半分まで高速化した0.016秒のレリーズタイムラグなど、看板の「サクサク撮れる快適さ」もさらに加速している。11月9日の発売(本体色ブラックのみ。ホワイトとレッドは22日を予定)を直前に控えた某日、ZR1000の企画スタッフにお話を伺った。
ZR1000のレビュー記事『拡大レビューでお届け! - 速さ、表現力、撮影スタイル、どれもが新次元の「EXILIM EX-ZR1000」デビュー』、発表会のレポート記事『カシオ「EXILIM」新製品発表会 - 益若つばさ、フェンシングを撮る!?』もぜひご一読いただきたい。
液晶モニタが正面を向く、という発想
―― 今回は、ZR1000で大きく変わった部分についてお話を伺いたいと思います。まず外見から。なんといっても目を引くのは、180度チルトアップ式の液晶ですね。画面が正面を向いて記念撮影や自分撮りができるのには、なるほどと感心しました。
萩原氏「チルトアップ式液晶の発想は、EXILIMのEX-TR100を発売したときに、あの自由な撮影スタイルが受けたのが大きかったですね。"持って撮る"から"置いて撮る"という発想の転換といいますか。ZR1000はボディ裏側から小さなスタンドが引き起こせるようになっているんですが、これも"記念写真といえば三脚必須"という概念を打ち破りたくて付けたんです。
ちょっとしたところにカメラを置けて、被写体から液晶モニタを見ることができれば、荷物も減るし、家族写真にいつもお父さんだけ写っていない(笑)、ということにならずに済む。ZR1000はモーションシャッター(編注:被写体の動きでセルフタイマーを起動させられる機能)やモーション再生(編注:被写体の動きで撮影した写真を表示する機能)も装備しているので、撮影者が移動することなく、撮影→確認→撮影が連続して行えます。この再生機能は、TR100にはなかった機能です」
液晶モニタを180度チルトアップさせると、記念撮影や自分撮りに便利。液晶モニタの表示の上下もちゃんと入れ替わってくれる |
液晶モニタを90度チルトアップした状態。昔懐かしい2眼レフのようなウェストレベルでの撮影が可能 |
田中氏「楽器を弾いてYoutubeで公開するといった自分撮り動画にも使えますね。また、モーションシャッターは液晶を跳ね上げた状態でなくても使えるようにも設定できるんですよ。タイマーのカウント設定も変えられます。最小0.5秒というカウント設定も可能で、これを使えばモーション検知後すぐにシャッターを切ることができます」
―― 0.5秒? これはどんなときに使うのですか?
田中氏「例えば、より精緻な撮影を行うときのシャッターとしてお使いいただきたいですね。撮影ごとにシャッターボタンを押し込む必要がないので、そのせいで手ぶれしてしまったり、アングルが微妙にズレてしまうといったことがなく、構図が安定します。これはオススメです」
次ページ: レンズ鏡胴のファンクションリングを回してズームが可能 |