パナソニックは11月13日、生鮮食料品を新鮮に見せるLED照明「彩光色LED照明器具」10製品を発表した。器具スタイルは、スポットライト(通過セードタイプ、一般タイプ)とユニバーサルダウンライトで、明るさは200形と350形が用意される。発売は12月1日で、希望小売価格は32,340円~48,300円。

生鮮食料品を新鮮に見せる「彩光色LED照明器具」。左がスポットライトで右がユニバーサルダウンライト

パナソニックでは、光のスペクトルを制御することで、物体の見え方をコントロールする「スペクティング技術」の開発を進めている。同技術を使用したLED照明が、2012年4月に発売された「美光色LED照明」や、2011年6月に発売された「明光色(アカルミナ)」といった商品だ。

美光色LED照明では、肌のくすみを目立たせる波長570~580nmの光を抑えることで、肌を美しく見せるとともに、それ以外のモノの色に影響を与えない照明を実現していた。明光色は、暗い場所でも人間の目の感度が高い波長の光を多く含んだ照明だ。美光色LED照明は、エステサロンやセレクトショップ、パウダールームなどで導入が進んでいる。一方の明光色は、街灯などに使用されている。

「彩光色LED照明器具」(左)と通常のLED照明(右)とでの色の見え方の違い

新たに発表された「彩光色」は、波長580nm前後の光の成分(黄色)を抑えることと、色のピークを長波長側にシフトすることで、食品を鮮やかに見せるというもの。肉や魚といった赤系の対象物だけでなく、野菜や果物、パン、総菜などのあらゆる食材を、1種類の照明で鮮やかに見せることが可能だ。

さまざまな種類の生鮮食料品を1種類の照明でカバー

従来は、LED照明に生鮮用フィルターをプラスすることで食材の色を表現していたが、美光色LED照明ではフィルターが使用されていないため、同じ消費電力でも約20%明るさが向上している。

また、同社では2013年春に、ライトアップなどの際に植栽の色を鮮やかに表現できる「ドラマチック景観照明」を発売すると発表している。

2013年春には「ドラマチック景観照明」を発売予定

なお、彩光色LED照明器具は、美光色や明光色のLED照明と同様に電材ルート向けの製品で、一般の家電販売店では取り扱われない。