インテルは13日、x86互換のHPC(high performance computing)向けメニーコア・コプロセッサ「Xeon Phi」を2012年1月より出荷すると発表した。「Xeon Phi 5110P」を2013年1月28日、「Xeon Phi 3100」ファミリーを2013年上半期に出荷するとしている。1000個ロット時の価格は「Xeon Phi 5110P」が2,650ドル、「Xeon Phi 3100」ファミリーが2,000ドル以下を予定。

「Xeon Phi」PCIeカード

「Xeon Phi」のダイ

MIC(Many Integrated Core)アーキテクチャに基づく最初の製品で、製造プロセスにはIvy Bridgeと同じ22nm 3Dトライゲート・トランジスタを採用する。Xeonプロセッサとの組み合わせが前提のメニーコア・コプロセッサで、PCI Expressカードの形状で提供。メニーコアによる並列コンピューティングの用途を目的としている。

例えば、気候パターンの予測、エネルギー資源の効率的な採掘、疾病に向けた新薬の開発など、高速な演算処理が必要とされる分野で、HPCの利用拡大や生産性の向上を促進するとしている。

Xeon Phiは通常のXeon同様にx86アーキテクチャをベースとしており、IA(Intel Architecture)向けに提供されているプログラミング言語や並列モデル、開発ツールなどを利用して開発を行うことができる。また、ソフトウェアについては、Xeon Phiに対応した「Intel Parallel Studio XE」や「Intel Cluster Studio XE」を提供する。

「Xeon Phi 5110P」の主な仕様は、最大コア数が60コア、動作周波数が1.053GHz、メモリは8GB GDDR5、メモリクロックは5.0GT/s、メモリ帯域幅は320GT/s、TDPが225W、倍精度演算性能は1,011GFLOPS(1.01TFLOPS)。冷却システムはパッシブ。

「Xeon Phi 3100」ファミリーの最大コア数と動作周波数は、2013年上半期の公開を予定しているが、そのほかの仕様として、メモリは6GB GDDR5、メモリクロックは5.0GT/s、メモリ帯域幅は240GT/s、TDPが300W、倍精度演算性能は1,000GFLOPS(1TFLOPS)。

IBM、HP、DELLなど、50社を超えるシステムベンダから「Xeon Phi」搭載製品の出荷を予定。国内メーカーでは、富士通、日立、NECが提供を予定する。