これまでにアカデミー賞をはじめとする様々な賞を獲得している映画監督 スティーブン・スピルバーグは8日(現地時間)、ロサンゼルスのマンズ・チャイニーズ・シアターにて開催された、自身が監督を務める映画『リンカーン』のLAプレミアに登場した。

LAプレミアに登場したダニエル・デイ=ルイス(左)とスティーブン・スピルバーグ

同作はオバマ大統領が「自分のヒーローだ」と公言しているアメリカ合衆国の第16代大統領エイブラハム・リンカーンが大統領として過ごした最後の数カ月を描いた作品。

オバマが再選を果たした、大統領選の翌々日に行われた同イベントには、全世界のマスコミ総勢300人以上が待ち受けるなか、S・スピルバーグ監督をはじめとする主要スタッフ、映画『マイ・レフト・フット』(1989年)や『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007年)でアカデミー賞主演男優賞を獲得し、同作で主演を務めたダニエル・デイ=ルイス、映画『ノーマ・レイ』(1979年)、『プレイス・イン・ザ・ハート』(1984年)で2度のアカデミー賞主演女優賞を獲得しているサリー・フィールド、映画『逃亡者』(1993年)でアカデミー賞助演男優賞を獲得したトミー・リー・ジョーンズら主要キャストが登場した。

構想・製作期間に12年を費やし、自らの手で同作を撮りたかったというスピルバーグは「リンカーンは自分の理想を貫き実現するアメリカの父とも言える指導者です。偉大な指導者が求められる今だからこそ知ってもらいたい物語なんです」とコメント。続けて、「この映画は、リンカーンの時代と現代を対比させて描くのではなく、今の政治の世界や今の政府を“鏡をかざして見る”タイプの作品で、いかにして民主主義が機能するかについての映画です。民主主義にはドラマがあることをこの映画は証明しています。第16代大統領は、歴代の大統領の中でも、間違いなく最も重要なことを成し遂げました。奴隷制度によって引き裂かれた国を一つにしたのです。しかも、75万人のアメリカ人の命を奪った南北戦争の終結前に奴隷制廃止が宣言されたのです。今の世界は複雑です。しかし、リンカーンがもし存在していなかったら、世界はもっと混沌としていたでしょう」と熱く語った。

映画『リンカーン』は、2013年4月19日より、TOHOシネマズ日劇ほか全国公開。

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