AppleのiPhone製造を請け負う台湾の鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry)会長の郭台銘(Terry Gou)氏は最新のiPhone 5について、デザイン上の理由から製造上の困難があり、生産ペースが当初Appleに求められていた数量に遠く及ばない水準であることを認めた。これにより、今年2012年第4四半期から近い将来にかけて、Appleの四半期業績に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。米Wall Street Journalが11月7日(現地時間)に報じている。
Gou氏はiPhone 5のデザインのどの部分に製造上の困難があるかは明示していないものの、Appleが要求する技術水準を満たすために製造ペースが遅れており、これが出荷数量を当初要求よりも低く押さえる原因となっていると説明している。Appleは9月21日に発売3日でのiPhone 5販売数量が500万台を突破したことを発表したが、以後はその経過を1カ月半以上にわたって報告していない。鴻海側の説明を加味すれば、製造ペースは当初の水準から大きく変化していないことが予想され、iPhoneの販売台数が最も上昇する第4四半期のホリデーシーズン商戦での強大な需要をカバーできない可能性が高いとみられる。これにより、2013年1月に行われるとみられる同社会計年度で2013年第1四半期(2012年10-12月)決算での販売台数報告ならびに売上に大きな影響を及ぼす可能性がある。特に最近のAppleはiPhoneに売上で依存する面が大きく、この動向に投資家らの注目が集まることになる。