ヤフー(以下Yahoo! JAPAN)、凸版印刷、イクスピアリの3社は6日、イクスピアリが開催するクリスマスイベントと連動し、インターネットとリアル店舗を結ぶ"O2O(オンライン・トゥ・オフライン) (※1)ビジネス"の可能性を検証する実証実験を、11月15日から12月25日までの41日間実施すると発表した。

同実証実験では、千葉県浦安市の「イクスピアリ」が開催するクリスマスイベント「イクスピアリ・クリスマス・ワンダーランド」を舞台に、ジオサービス「Yahoo!ロコ」、「地図 Yahoo!ロコ」アプリ内の新機能「施設内マップ」、スマートフォンを活用し、来場者向けにタッチラリー「イクスピアリ・クリスマス・タッチラリー」を開催する。

同タッチラリーは、今年から場所を変更して設置されたイクスピアリの新規クリスマスツリーを「地図 Yahoo!ロコ」の「施設内マップ」をたよりに探すというプログラムになっている。専用のアプリをダウンロードし、さらに各タッチポイントでそれぞれ設置されている凸版印刷のNFCコンテンツ配信サービス「Cylsee(シルシー)」(※2)を活用したICタグ内蔵のスマートポスターをスマートフォンでタッチまたはQRコードを読み取ると、ツリーに飾るオーナメントをスマートフォン上に収集することができる。ツリーにたどり着いたときに、6つ全てのオーナメントが集まればサプライズが起こるという。

Yahoo! JAPAN、凸版印刷、イクスピアリの3社は、同実証実験を通じて、以下のことを確認・検証していく。

1. オンライン(PCやスマートフォン)を起点としたプロモーションによる実店舗への集客効果の検証

2. スマートフォンを活用して施設内でのみ取得できる情報や特典などのインセンティブが購買行動や顧客満足度の向上へ与える影響の検証

3. 「施設内マップ」やNFC技術、スマートフォンのアプリを活用した、同一施設内の回遊を目的とした新しい販促・プロモーションの仕組み成立の可能性の検証

4. 今後のO2Oビジネスの推進に向けた調査データの収集・分析

Yahoo! JAPANは、同社が展開してきた地域生活圏情報関連の7つのサービスを2011年6月に集約し、新たに「Yahoo!ロコ」を公開し、さまざまな施策を展開している。同実証実験を通じて、店舗内回遊を目的とした新しい販促・プロモーションの仕組みが成立する可能性を検証し、引き続きO2Oビジネスの可能性を探っていく。

凸版印刷は、ICタグとNFC搭載スマートフォンを活用したコンテンツ配信サービス「Cylsee(シルシー)」を、O2Oプロモーションなどに向け2012年9月より提供を開始。同実証実験の結果をもとに、O2Oビジネスの拡大に向けて、新たなサービスの提供に取り組んでいく。

イクスピアリは、同施策の実施により、今年から場所を変更して設置する新規クリスマスイルミネーション「サンタのワンダーガーデン」へのスムーズな誘導を図ると同時に、ゲスト(顧客)に各タッチポイントに設置されたフォトロケーションや、ツリーでのオリジナルの記念撮影を楽しみながら、より一層思い出に残るようなクリスマスを体験してもらうことを目指している。

(※1)「O2O(オー・ツー・オー)」とは「Online to Offline(オンライン トゥ オフライン)」の略。オンラインとオフライン(実店舗)の購買活動が連携し合う、または、オンラインの活動が実店舗などでの購買に影響を及ぼすという意味合いの用語。 (※2)「Cylsee(シルシー)」とはICタグとNFC搭載スマートフォンを活用したコンテンツ配信サービスのこと。ICタグを内蔵したシール「Cylseeシール」にNFC搭載スマートフォンをかざすと、ICタグのユニークコードに基づき、場所や時間に応じて情報やコンテンツをスマートフォン上に表示する。