ひと昔前、日本人旅行者と言えばカメラを首から下げて団体でゾロゾロ………というイメージが海外で定着していました。現在はどのように見られているのでしょうか? また、国によって旅の仕方は変わるのでしょうか? 日本に住む外国人20人に聞いてみました。

まず、一番多かった回答から。

■日本人はツアーが好き
■スケジュールがハードすぎて、移動も早すぎ
■母国ではのんびり気ままに旅をする

日本や海外で見かける外国人旅行者、特に欧米人はバックパッカーが多いですね。見知らぬ土地でも地図とガイドブックを頼りにずんずん歩いていきます。これらの回答をいただいたのは

イタリア、フランス、スペイン、スウェーデン、フィンランド、オランダなどのヨーロッパ圏の方々。そしてベトナム、シンガポール、ペルー、アルゼンチンなどのアジア圏、南米圏の方々

でした。現在は日本でも個人旅行をする人はかなり増えていますが、それでももともと「自由な旅」が基本の国の人から見たら、まだまだツアーが多いというイメージのようです。

それにはそれぞれの国の休暇の取り方にも関係するかもしれません。ようやく取った短い休みの間に行くのなら、あれやこれやと詰め込みたくなるのは人情というもの。ツアーの方が気軽だし、安かったりもしますし。でも、以下の回答を見ると、「日本人の旅行の仕方はもったいないのでは?」という外国人の気持ちが伝わってきます。

■スペイン人はゆっくり見たいところを見に行く。お休みは長いけど、ある国の全部の有名な町を見なくてもいいということで、逆に日本人は短い時間に急いでヨーロッパの様々な国々に旅行することがかなりある。つまり、スペイン人はゆっくり旅行するが、日本人は急いで旅行するのは一番異なってることだと思う(スペイン/男性/20代後半)

「自分の国を駆け足でなく、立ち止まって見てほしい」ということでしょうか。その国に行くことが重要なのか、感じることが重要なのかによって旅の仕方は変わってくるかと思います。確かに、日本に来る外国人旅行者には、良さが分かるまでじっくり見てもらいたいですよね。

そして、以上とは違ったご回答。

■日本人は目的国の観光地に行くことがメインで、その国の文化等も事前に勉強したりして、買い物は時間があればという感じですが、エジプト人は逆です。どこへ行くにも何も事前準備はせず、買い物がメインで、観光地等文化のことを見るのは二の次です(エジプト/男性/40代後半)

日本に来る中国人旅行者はお買い物好きで有名ですが、エジプト人もそうなんですね。どちらもメイド・イン・ジャパンが人気だそうです。しかし、「見ることは二の次」なんですね。自信満々に言われると、それもありか! と納得してしまいます。

■ハンガリーでは池などで日焼けするのが一般的な夏休みの旅行の過ごし方なので、太陽から隠れる日本人の過ごし方と違うと思います(ハンガリー/女性/30代前半)

ハンガリー流旅行プランには「池で日焼け」をお忘れなく!

■日本人はいつも料理の写真を撮りますね。なんでだろう……(アメリカ/女性/20代後半)

確かによく撮りますね。それが不思議に思われていたこと自体が意外です。食べ物が一番その国の文化を表しているから? 単なる思い出? 問われると答えられませんが、撮ることはやめられません。

たまには視点を変えて、「訪れる国の人の旅の仕方で旅をする!」というのも面白いのではないでしょうか。のんびりしたり、日焼けしたり、観光しなかったり……。何か新しい発見があるかもしれませんよ!