内閣府は6日、9月の景気動向指数速報(CI、2005年=100)を発表した。それによると、現状を示す一致指数は91.2となり、前月の93.5から2.3ポイント悪化したことが分かった。下降は6カ月連続となる。

一致指数の推移(出典:内閣府Webサイト)

基調判断については、「足踏み」から「下方への局面変化」へと3カ月ぶりに下方修正。「下方へ局面変化」とは、事後的に判定される景気の山が、それ以前の数カ月にあった可能性が高いことを表しており、内閣府は「景気はすでに後退局面に入った可能性が高い」との暫定的な見方を示した。

基調判断が「下方への局面変化」となったのは、東日本大震災の影響により景気が悪化した2011年5月以来1年4カ月ぶりとなる。10月の一致指数も前月を下回った場合、基調判断は「悪化」に下方修正される見込みだ。

一致指数が悪化した理由としては、海外景気の減速で自動車の輸出が減ったと同時に、エコカー補助金終了に伴い、国内販売も減少したことなどが主な要因として考えられる。

一致指数を構成する10指標のうち、生産指数(鉄工業)は前月比4.1ポイント減、鉄工業生産財出荷指数は同2.9ポイント減、耐久消費財出荷指数は同10.1ポイント減、残業時間を示す所定外労働時間指数(調査産業計)は同2.5ポイント減、投資財出荷指数(除輸送機械)は同0.9ポイント減、商業販売額(小売業・前年同月比)は同1.3ポイント減、商業販売額(卸売業・前年同月比)は同0.6ポイント減、営業利益(全産業)は同0.04ポイント減、中小企業出荷指数(製造業)は同2.8ポイント減、有効求人倍率(除学卒)は同0.02ポイント減と、9指標が悪化。一方、大口電力使用量のみ前月比0.3ポイント増加している。