極上のスピード感が実現する快適さ
EXILIMといえば、そのスピード感と撮影の快適さ。0.99秒の起動時間、0.016秒のレリーズタイムラグ、0.26秒の撮影間隔、0.15秒の高速AFをうたうが、それは通常撮影時の話。
「BS」(ベストショット)モードに新しく搭載された「スナップ撮影」では、フォーカスを無限遠(パンフォーカス)に固定してしまうことで、AFすら使わないフォーカス0秒の撮影を実現した。なお、このモードではハーフシャッター(シャッターボタン半押し)で撮影されることも相まって、この上なく快適にシャッターを切ることができる。
ふと気付いた子どもの笑顔やペットの仕草に「あっ、いいな」と思ってシャッターを押そうとしたら、フォーカスを合わせている間に表情が変わってしまって残念な思いをした、といった経験がないだろうか。「スナップ撮影」は、そんなときにうってつけだ。
【動画】EX-ZR1000 スナップ撮影 |
一新され、より使いやすくなった本体&液晶UI
新しいUI(ユーザーインタフェース)もまた、ZR1000の快適な撮影性能に大きく寄与している。レンズ基部のファンクションリングは、カメラを構えたまま、撮影時のさまざまなパラメータをダイレクトに、素早く変更できる新しいUIだ。初期状態ではレンズの焦点距離を段階的に変えるステップズームに設定されているが、EVシフト(露出調整)、マニュアルフォーカス、ホワイトバランスなどを割り当てることもできる。
また、割り当てられる項目は撮影モードによって変化する。たとえば「S」(シャッタースピード優先)モードならシャッタースピードの変更、「A」(絞り優先)モードなら絞り値の変更が可能になるといった具合。だが、実際に使っていてもっとも便利に感じたのは、「ART」(アートショット)モード時に効果レベル(強度)の変更を割り当てられることだった。
アートショットの効果レベルは、メニューからでも変更できる。ただしその場合、メニューから効果レベルを選択し、決定して、初めて画面に反映される。が、ファンクションリングに割り当てておけば、リングを回すだけで効果レベルが画面にリアルタイムに反映され、クルクルと切り替わるのだ(HDRアートを除く)。と書いても、やはり分かりにくいので、とにかく動画を見て頂戴。
【動画】EX-ZR1000 ファンクションリングによるダイレクトプレビュー |
UIという点では、モニタ上に表示されるメニューのデザインや構成も一新された。文字やアイコンはベクトルデータでの描画となり、従来の2倍の解像度でより見やすく、分かりやすくなっている。
特に「SET」ボタンを押したときに表示されるファンクションメニューの分かりやすさは秀逸。ダイヤルコントローラの形状をうまく意匠に取り込んでおり、あぁ、このダイヤルを回せばいいんだな、と気付かせてくれる。もちろん、十字キーでも操作可能だ。
コントローラの動作追従性、そして画面切り替えなど、端々まで動作が機敏であることも、操作の快適さを力強く支えている。まさに極上のスピード感だ。
「RING」ボタンで呼び出すファンクションリングのカスタマイズ画面(マニュアル撮影モード時) |
背面ダイヤルの左右キーにも、撮影の機能を割り当てることができる |
刷新され、ベクトルデータで描画されたUI。特にファンクションメニューはダイヤルコントローラとの相関がわかりやすい |
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