iPad miniの用途は? と尋ねられたら、多くの人が電子書籍リーダーや外出先でのブラウジング、ゲームなどを挙げるだろう。しかし、iPad miniにはもうひとつ、忘れてはいけない機能がついている。

「カメラ」である。

iPhone 5発売の時と比べると、iPad miniのカメラについての話題は驚くほど耳にしない(そもそもiPhone 5とは初日から売れた台数が違うが、それを考慮してもである)。もしかして皆、iPad miniにカメラがついているということを忘れているのではないか……ふと不安になったので、今回は啓蒙の意味をこめてiPad miniのカメラ機能をどう使うかを考えていきたい。

まずはiPad miniのカメラの性能から検証していこう。なお、今回取り上げるのは背面カメラの方である。

スペックは下記の通りだ。ここではiPhone 5と比較してみた。

iPad mini iPhone 5
500万画素 800万画素
オートフォーカス オートフォーカス
顔認識機能つき 顔認識機能つき
レンズの明るさはF2.4 レンズの明るさはF2.4
焦点距離:33mm(35mmフィルム換算) 焦点距離:33mm(35mmフィルム換算)
パノラマ機能は非搭載 パノラマ機能有

……スペックだけ見てもよくわからん!

ってことで実際に撮り比べてみることにしよう。

ipad1:iPad miniで撮影。F2.4 シャッター速度1/24秒ISO感度32

iPhone 5で撮影。F2.4 シャッター速度1/40秒 ISO感度64

いかがだろうか。このサイズだとほとんど違いはないように見えるが、実際には300万画素の違いがあるため、拡大するとやはりiPhone 5の方がやや解像度が高い。といってもPCモニタで見る限りは際立った違いはない。ブラインドテストをしたら間違えてしまうかもしれない。

もう1枚。

iPad miniで撮影。F2.4 シャッター速度1/15秒 ISO感度320

iPhone5で撮影。F2.4 シャッター速度1/20秒 ISO感度320

フォーカスはどちらも花の中心部。オートでの設定はほとんど同じだ。では、それぞれを拡大してみよう。

iPad miniで撮影した花の写真を拡大

iPhone 5で撮影した花の写真を拡大

こうすると違いははっきりわかる。やはりiPhone 5の方が画質は上だ。だが、逆にいえばこうしないとわからない程度の差ではある。

続いて、iPhone 5の真骨頂とも言える暗所撮影性能をテストしてみよう。iPad 2は果たしてどこまで食らいついていけるか。

iPad miniで撮影。F2.4 シャッター速度1/15秒 ISO感度640

iPhone 5で撮影。F2.4 シャッター速度1/15秒 ISO感度3200

ダメだった。勝負にならなかった。iPad miniの最大ISO感度はどうやら640。iPhone 4Sの800よりさらに下で、暗所性能はあまり期待できなそうだ。

というわけで、iPad miniのカメラはiPhone 5より劣ることは否めないが、カメラにとってシビアな状況でなければ、結構使えるのではないだろうか。