介護分野などにおける情報インフラ創造を目的に事業を行っているエス・エム・エスは、同社が運営する、介護の悩みを専門家に無料で相談できるQ&Aサイト「安心介護」で、介護現場における「虐待」の実態調査を実施。その結果、約3割の家族介護者が虐待経験「あり」と回答した。調査対象は同サイト会員207名、調査期間は2011年9月29日から11月14日。
「虐待の種類」を尋ねたところ、「暴言や、いやがらせ」などの心理的虐待が84.9%と最も多く、次いで被介護者に対する「暴力的な行為」などの身体的虐待が41.5%、介護放棄・放任が17%という結果となっている。
虐待をしてしまった主な理由としては、「1日に何度も何度も同じ話を繰り返すので、無視したり、暴言を吐いた(心理的虐待)」、「認知症とわかっていても、暴言、強い反抗、親戚への虚偽の話につい手がでてしまった(身体的虐待)」、「精神的疲労や介護に対する親族の理解・協力が得られなかったため介護放棄した(介護放棄・放任)」などの意見が目立った。
また、「虐待経験なし」と答えた人(全体の74%)に、虐待をしそうになったことはあるかの調査を行った結果、41%が、「虐待をしそうになったことがある」と回答。
また、「虐待をしてしまいそうになる頻度」としては、「1カ月に1回以上」と回答した割合が59%と高く、「週に1回以上」と回答した割合で見ても29.5%と高い傾向がみられる。
虐待をしそうになってしまった主な理由としては、「寝ずに、何回も大声で叫び、暴れられたとき」、「文句を言われたり、激しくののしられたとき」、「スムーズに介護ができなかったり、介護サービスを受けたがらなかったりするとき」などの意見が目立った。