狂言師の野村萬斎、女優の榮倉奈々らが3日、東京・日比谷のTOHOシネマズスカラ座で行われた映画『のぼうの城』の公開記念舞台あいさつを行った。

左から、樋口真嗣監督、平岳大、山田孝之、上地雄輔、榮倉奈々、野村萬斎、佐藤浩市、成宮寛貴、犬童一心監督 拡大画像を見る

舞台あいさつには、野村、榮倉、上地のほか、キャストの佐藤浩市、成宮寛貴、山田孝之、平岳大と犬童一心監督、樋口真嗣監督が出席し、大歓声で迎えられた主演の野村は「楽しめましたか!?」と観客に呼びかけ、「声を掛けられてから7年を経て完成した作品。これだけ色んなキャストが個性的なキャラクターを演じてるので、楽しんで欲しい」とアピール。甲斐姫を演じた紅一点の榮倉は「エネルギーが溢れるこの作品で日本が元気になってくれたら」とあいさつし、大谷吉継役の山田も「3世代と言わず、4世代で楽しんでほしい」とPRした。イベントでは、野村、榮倉らが率いる"忍城軍"と上地、山田らが率いる"三成軍"に別れた紅白玉入れ合戦も行われ、11対9で勝利した"忍城軍"の野村は「映画と同じですね」と大満足の様子だった。

また、エレファントカシマシが担当した主題歌「ズレてる方がいい」のタイトルにちなみ、撮影中に「この人、ズレてるなぁ」と思った共演者をそれぞれが披露。「存在感が浮世離れしていた」(樋口監督)、「『ぼーっとしてるようだけど、実はシャープ』と自分で言ってた」(犬童監督)と両監督から指摘された野村は「ズレてると気付いてないところが、ズレてるんでしょうね」と苦笑い。一方、最も票を集めた上地は「朝まで飲んだ時に出勤の人たちがたくさんいる中、歩いて帰ってた」(山田)、「家に遊びに行ったら、まだ溜まってないお風呂に体育座りで入ってた」(成宮)、「いきなり会話が英語になった」(平)と共演者に次々と暴露され、「ここに立ってる人は全員が変わってる!」と反撃。ズレてるのは自分と書いた榮倉は「上地さんと話がかみ合わなくて、私が変なんだと思ってた。私じゃ無かったんだ!」と追い討ちをかけ、観客の笑いを誘っていた。

映画『のぼうの城』は、2009年に本屋大賞第2位を受賞した和田竜の同名小説(小学館文庫刊)を実写化した戦国エンタテインメント。天下統一のため、敵の北条勢を討とうとしていた豊臣秀吉は、家臣・石田三成(上地雄輔)に、たった500人の兵力しか持たない忍城を2万の軍勢で落とすように命じる。領民から"でくのぼう"を意味する"のぼう様"の愛称で慕われていた忍城の総大将・成田長親(野村)は、圧倒的な兵力差に開城しようとするが、なめきった態度の三成軍を前にして、無謀な戦いに挑むことを決意する。