タスクバー(Task Bar)

我々日本人には直感的に理解できない単語が用いられることが多いコンピューターの世界。新たに登場するWindows 8を踏まえつつ、Windows OSで用いられる単語(=キーワード)を個別にピックアップし、詳細な解説をお送りする。今回取り上げるキーワードは、Windows 8でデスクトップを使用する際に欠かせない「タスクバー」(Task Bar)だ。

Windows 8キーワード一覧

「アプリバー(App Bar)/ナビゲーションバー(Navigation Bar)」とは
「タイル/ライブタイル(Tile/Live Tile)」とは
「スタート画面(Start Screen)」とは
「チャーム(Charm)」とは
「Windowsストアアプリ(Windows Store app)」「デスクトップアプリ(Desktop app)」とは
「エクスプローラー」とは

「タスクバー(Task Bar)」

起動したアプリケーションの状態を示し、容易に切り替えるための機能を指す名称。デスクトップに用意されているタスクバーの歴史は古く、その起源は「スタートボタン」および「スタートメニュー」が導入されたWindows 95の時代までさかのぼる。スタート画面の回でも述べたように、タスクバーは重なり合う、もしくは全画面表示のアプリケーションを切り替えるため、同OSから導入された機能だ(図01)。

図01 Windows 8のデスクトップは、タスクバーが用意されている。以前のWindows OSと異なるのはスタートボタンがないことぐらいだ

タスクバーには、アプリケーションを示すボタンや時計、通知領域(旧タスクトレイ、システムトレイ)が並び、デスクトップ上の操作を補助する役目を担っている。蛇足だが「トレイ」という呼称は間違いであると、MicrosoftのRaymond Chen(レイモンド・チェン)氏は自著で述べているが、Windows 95では通知領域の管理を行うプログラムの名称が「systray.exe」だったため、この呼称が普及したのだろう(図02)。

図02 Windows 95のタスクバー。ここから同機能の歴史が始まる

図03 タスクバーにピン留めされたアプリケーション。ジャンプリストの導入により、使用頻度の高いWebサイトやファイルの参照性が向上している

タスクバーは、Windows OSのバージョンアップと共に多くの機能が追加されてきた。Windows XPでは、ショートカットファイルをタスクバーに列挙するクイック起動や、通知アイコンの非表示機能。Windows 7ではタスクバーにショートカットファイルをピン留めする機能やジャンプリストが備わった(図03)。

なお、タスクバーはデスクトップ下部にレイアウトされているが、Windows 95が開発コード名である「Chicago(シカゴ)」と呼ばれていた頃は現在のタスクバーと異なり、タブ形式のデザインが採用されていた時期がある。タブの廃止理由として大きいのは、アプリケーションの描画起点を0×0にした場合、タスクバーの下に描かれてしまうからだそうだ。そのため、デスクトップの下部が初期状態となった。

阿久津良和(Cactus