「ローズの香り」では交感神経が優位となり、ドキドキした緊張感を感じる

カネボウ化粧品と同社の香りについての研究機関「カネボウ化粧品香料研究室」は、30日の「香りの記念日」にちなみ、香りが男性にどのような気分の変化をもたらすのかを検証する実験を行った。

今回、実験は2種類行われた。実験1.は「香りがどのような気分をもたらすかについての比較実験」、実験2.は「女性が香りをまとった場合の影響を図る実験」で、実験期間はそれぞれ8月31日~9月7日と9月21日~9月23日。被験者は20~30代の正常な嗅覚をもつ非喫煙の健常男性で、人数はそれぞれ8名と10名。いずれも実験目的および香りの種類を伏せて測定を行った。

「ローズの香り」で、"ドキドキ"や"うっとり"を感じる

実験1.では、被験者に椅子に横たわり、目をつぶって安静な状態を維持してもらい、香りを嗅いでもらった。その際、心拍の変動を測定。香り提示後、快適感主観評価を行い、被験者にどのような気分をもたらしたかを測定した。

「レモン」は爽快感が増す

「ムスク」は穏やかな気分に

「タバコ」はイライラが増す

被験者に「ローズ」「レモン」「ムスク」「タバコ」の香りを嗅いでもらったところ、無臭の時よりも交感神経が活性傾向を示した。

また同時に、香りは心理面にも影響を与えていることがわかった。特に「ローズの香り」を嗅ぐと、「ドキドキした"緊張感"を感じる」「うっとり、ロマンチックな気分になる」「リフレッシュする」などの傾向が現れることが明らかとなった。

一方、タバコの香りは男性を「イライラさせ、不愉快にしてしまう」という結果となった。

女性がローズの香りを身にまとうと、男性は交感神経が活発化

実験2.では、 男性の隣に香りをつけた女性が座り、一定の時間心拍の変動を測定。その後、快適感主観評価を行った。

「ローズの香り」と「タバコの香り」で交感神経が活発化

それぞれの香りをまとった女性が近くに座った際、男性の交感神経と副交感神経の活性度を分析したところ、無臭時に「ローズの香り」と、「タバコの香り」については交感神経が活性化した。

実験1.の結果と併せて考察すると、ローズの香りの女性が近くにいると、男性は ロマンチックな気分で"ドキドキ"するような心理状態を示し、タバコの香りがする女性が近くにいると非喫煙者の男性では "イライラ"して、不愉快になる傾向が見られた。