我々日本人には直感的に理解できない単語が用いられることが多いコンピューターの世界。新たに登場したWindows 8を踏まえつつ、Windows OSで用いられる単語(=キーワード)を個別にピックアップし、詳細な解説をお送りする。今回取り上げるキーワードは、Windows 8上でファイル操作を行う際に欠かせないアプリケーション「エクスプローラー」だ。

Windows 8キーワード一覧

「アプリバー(App Bar)/ナビゲーションバー(Navigation Bar)」とは
「タイル/ライブタイル(Tile/Live Tile)」とは
「スタート画面(Start Screen)」とは
「チャーム(Charm)」とは
「Windowsストアアプリ(Windows Store app)」「デスクトップアプリ(Desktop app)」とは

「エクスプローラー(Explorer)」

エクスプローラー(Explorer)

Windows 8上で動作するファイル管理アプリケーションの名称。ファイルのコピーや移動、削除といった基本的な操作から、関連付けられたデスクトップアプリによるファイル編集など、Windows OSにおけるファイル操作の根幹的機能を備えている。以前のエクスプローラーは複数ペインを用いたデザインだったが、Windows 8では、画面左側にツリー構造を持つナビゲーションウィンドウ(以前の呼称は「エクスプローラバー」)を備えているため、複雑なフォルダーへ素早くアクセスすることが可能だ。

また、従来のメニューバーやツールボタンに置き換わるUI(ユーザーインターフェース)として、リボンを備えている。エクスプローラーにおけるファイル操作は以前と同じくドラッグ&ドロップや、コンテキストメニューの項目、ショートカットキーが使用できるが、リボンを使用することでファイル操作をワンクリックで行うことが可能だ。なお、リボンはタブをクリックすることで現れるが、常に表示させることもできる(図01)。

図01 Windows 8のエクスプローラーはリボンを備えている

Windows OSを長年使ってきた方ならご承知のとおり、エクスプローラーはWindows 95から採用されたアプリケーションであり、それ以前のWindows 3.1では、ファイル操作だけを担う「ファイルマネージャ」とアプリケーションを起動するための「プログラムマネージャ」で構成されていた。この似通った機能を一つに統合して置き換えたのが、現在のエクスプローラーである(図02)。

図02 Windows 3.1の「ファイルマネージャ(手前右)」と「プログラムマネージャ(左奥)」

なお、冒頭でエクスプローラーはアプリケーションと述べたが、厳密にはデスクトップスタートメニュータスクバーなど各種機能を備えており、Windows OSのシェル(OSのためにUIを提供するソフトウェア)として稼働している。そのためエクスプローラーはWindows OSと共に進化してきた。Windows 98時代はInternet Explorerとエクスプローラーを統合して、デスクトップにWebコンテンツを表示させる「アクティブデスクトップ」を実装したが、Windows Vistaで廃止している(図03~04)。

図03 Windows 98に搭載された「アクティブデスクトップ」

図04 Windows XPのエクスプローラーは、エクスプローラーバーで操作性を向上させていた

阿久津良和(Cactus