iSCSIイニシエータ側の設定
続いては、iSCSIイニシエータ側の設定を行う。
Windows 7およびWindows Server 2008では、OS標準でiSCSIイニシエータを利用できる。Windows 7では、「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「管理ツール」から「iSCSIイニシエータ」を起動する。そして、iSCSIイニシエータのプロパティ上でReadyDATAのIPアドレスを入力して、「クイック接続」をクリックする。すると自動的にReadyDATA上で作成されているLUNグループのターゲットを検出して、接続が完了する。
iSCSIで接続できれば、ReadyDATAのストレージがローカルドライブと同じ扱いになるので、あとはWindowsからパーティションの割り当てを行えばよい。パーティションの割り当ては、「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「管理ツール」の「コンピュータの管理」より行う。パーティションを割り当てが完了すれば、Windowsからはローカルドライブとして認識するようになる。
NASとiSCSI、パフォーマンス差やいかに
最後にiSCSIとNASでパフォーマンスの違いを計測したので、その様子もご紹介しよう。
検証環境では、ReadyDATAは10Gビットイーサネットで接続し、PCは1Gビットイーサネットで接続している。ベンチマークを行ったPCは「CPU:Intel Core i7-2640M、メモリ8GB、Windows 7 Professional SP1 64ビット」という構成だ。
SANとしてのパフォーマンス計測は、iSCSIで接続したローカルドライブに対して「CrystalDiskMark 3.0.1」のベンチマークを実行した。NASとしてのパフォーマンス計測は、ネットワークドライブを割り当てCrystalDiskMark 3.0.1のベンチマークを実行した。SANおよびNASとしてのベンチマークは以下のような結果となった。
1000M/512Kバイトの書き込み(Wtite)以外は、iSCSI接続のパフォーマンスが優れていることがわかる。その書き込みに関してもそれほど大きな差はない。今回はiSCSI接続による複数の同時アクセスを試してはいないが、NASと同様にiSCSI接続でもネットワークインタフェースがボトルネックにならなければ、複数の同時アクセスでもパフォーマンス低下はないだろう。
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以上、4回にわたって、ネットギア ストレージ製品のフラッグシップ機であるReadyDATAを紹介してきた。いかがだっただろうか。
その1回目でも取り上げたが、ReadyDATAは、スナップショットを無制限に取得でき、ReadyDATA間あるいはインターネット経由(すなわちクラウド型)でブロックレベルのレプリケーションが可能だ。さらに、シンプロビジョンニング機能を備えるうえ、たとえRAIDを構成していてもボリュームの作成/拡張を瞬時に終えられる。加えて、データの重複排除/圧縮機能を搭載し、物理データ容量を削減できるといった特徴もある。
また、バーチャルネットワークに対応しており、物理ネットワーク構成にとらわれることなく仮想的なネットワークを構築でき、それぞれの仮想ネットワークのファイル転送パフォーマンスを制御することも可能だ。
そして、前回、今回と2回にわたり説明してきたとおり、標準で10Gビットイーサネットのインタフェースを持ち、iSCSIにも対応するため、ハイパフォーマンスのストレージ環境を構築することができる。導入作業も簡単なのでNASに不慣れなシステム管理者でも苦労することはないはずだ。
このような、通常はエンタープライズ領域で利用されている高度な機能が、追加費用なしに初めから利用できるのは特筆すべき利点だ。既存のNASやファイルサーバを統合して、なおかつハイパフォーマンスのストレージ環境を構築したいと考えているシステム管理者の方にとって、十分に検討に値する製品と言えるだろう。
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