ReadyDATAでのiSCSIの設定
それでは、ReadyDATAにおけるiSCSIの設定を見ていこう。
iSCSIの環境では、ストレージは「iSCSIターゲット」、そこにアクセスするクライアント(のアクセス用のソフトウェア)は「iSCSIイニシエータ」と呼ばれる。ReadyDATAをiSCSIターゲットとして動作させるための設定の手順は次の通りだ。
- ボリュームの作成
- LUNの定義
- LUNグループの割り当て
まず、「システム」→「ストレージ」でReadyDATAに搭載したHDDでボリュームの作成を行う。
ボリュームを作成したら「共有とLUN」のメニューからiSCSIでアクセスするLUN(Logical Unit Number)を作成する。LUNを作成する際には、容量とプロビジョニング方式などを指定できる。プロビジョニング方式はLUNの容量に対する物理的なディスク容量の割り当て方式で、シンプロビジョニングとシックプロビジョニングから選択できる。
これらのうちシンプロビジョニングは、ストレージを仮想的に割り当てる技術。iSCSIイニシエータにおいては最初に設定した容量が割り当てられているように見えるが、実際はあらかじめ空領域を確保しているわけではなく、データを書き込むときに必要なディスク容量が割り当てられる仕組みであるためこのような名称が付けられている。先々の需要を見越して多めにディスクを用意するといった必要がなく、物理ディスクの容量を効率良く利用することができる。これとは逆にLUN作成時にその容量に対する物理的なディスク容量を割り当てる場合は、シックプロビジョニングを選択すればよい。
次に、作成したLUNをLUNグループに割り当てて、iSCSIイニシエータからアクセスできるようにする。
それにはまず、「SAN」のメニューから「+」のアイコンをクリックして、新しいLUNグループを作成する。グループ名やターゲットは自動的に割り当てられるので設定しなくても問題はない。なお、ターゲットは、iSCSIイニシエータがアクセスする際の識別情報となる。
その後、割り当てたLUNグループのプロパティでLUNグループへのiSCSIイニシエータのアクセス権を設定すればよい。
これでReadyDATA側の設定は完了となる。設定自体は5分程度で完了するだろう。非常に簡単にiSCSIターゲットとしての設定が可能だ。