23日に米サンノゼでAppleが開催したスペシャルイベントの招待状には「We've got a little more to show you」と書かれていた。iPad miniをメインに、怒涛の新製品ラッシュとなったスペシャルイベント。招待状のメッセージは何を示していたのか。今回キーノートを通じて、Appleは1つ重要なことを証明している。

イベント招待状のメッセージの意味は?

10月23日に米サンノゼでAppleが開催したスペシャルイベントの招待状には「We've got a little more to show you (もう少しお見せしたいものがあります)」と書かれていた。これはiPadのリトルブラザーのことだろうと、開催前から「iPad miniイベント」と呼ぶ媒体も少なくなかったが、iPad mini一色のイベントにはならなかった。iPad miniをメインに、13インチのMacBook Pro Retinaモデル、新しいiMac、Mac mini、第4世代iPad、iBooks 3など、怒涛の新製品ラッシュになった。Appleの招待状のメッセージは何を示していたのか。今回キーノートを通じて、Appleは1つ重要なことを証明している。それに触れる前に、まずはキーノート全体をふり返ってみよう。

スペシャルイベントの会場となったサンノゼのカリフォルニアシアター

開始予定時間ぴったりにCEOのTim Cook氏が登場

キーノートは、CEOのTim Cook氏が進行役を務め、Phil Schiller氏(ワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデント)が新製品を紹介するというスタイルで進められた。スタートは恒例の情報アップデートから。

  • iPhone 5の販売台数が最初の週末に500万台を突破、携帯電話の販売ペースとしては最速。
  • 9月に新しいiPod nanoとiPod touchを発表して以来、iPodの販売台数が300万台を超えた。
  • リリースから1カ月でiOS 6で動作するデバイスが2億台に、ソフトウエアのアップグレードペースとしては最速。
  • Documents in the Cloudのドキュメント数が1億2,500万個、iMessageのメッセージ送信数が3,000億件、Game Centerが1億6,000万アカウントを突破。
  • App Storeからのアプリダウンロード数が350億件を超え、アプリ開発者に支払った金額の累計が65億ドルに達した。

続いて、Cook氏は「App Storeでポピュラーなアプリの1つ」と述べてiBooksに話題を移した。iBookstoreが扱う電子ブック数が150万タイトル以上に増え、同ストアからのダウンロード数が4億件を超えた。新しいiBooks (バージョン3.0)は、日本語、中国語、韓国語を含む40言語をサポートする。またスクロールしながらページを移動できるスクロールテーマが加わり、iCloudとの連携や共有機能が強化された。

iBooks 3の新機能、スクロールでページを移動するスクロールテーマ。片手で操作するハンドヘルド向きの機能

日本語を含む40言語をサポート

パソコン販売が低迷する中、しばらく前までMacは二桁の成長を維持してきた。6月末締めのPCの成長率が2%だったのに対して、Macは15%。この違いの大きな理由として「ユーザーの満足度と安心感を調べる調査で、Macは安定して1位を獲得している」と指摘し、Schiller氏にバトンを渡した。

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