フィンランドのNokiaが11月上旬にも発売するWindows Phone 8搭載の最新端末「Lumia 920」を、AT&Tとの2年契約つきで米国内で149.99ドルで販売する計画だと、家電量販店大手の米Best Buyが語っている。
米Wall Street Journalが10月21日(現地時間)に報じている。通常、米国でのハイエンド端末は2年契約時で200~300ドル程度の価格であることが多く、Lumia 920の150ドルという価格設定は幾分か安めとなっている。
米国では2年または1年契約を条件に本来の端末価格から割引きを行い、ローエンド端末であれば0~100ドル程度、ハイエンド端末では200~300ドル程度で販売する形態が一般的になっている。リストプライス(List Price)と呼ばれる実際の販売価格は、この本来の端末価格から販売推奨金を差し引いた額であらかじめ提示されるため、例えば新型iPhone発表時に「199ドル」といった価格が表示されるのはそうした理由による。
最新のハイエンド端末ながら、Lumia 920が2年契約で149.99ドルで販売されるのは、ライバル対抗上安めに設定されていると考えていいだろう。なお、2年契約なしでの端末販売価格は599.99ドルで、iPhoneやAndroidなどのライバルの最新製品と比較して50~100ドルほどやはり安めに設定されている。Lumia 920は米国ではAT&Tが半年間の独占販売権を得たことが伝えられており、来夏まではAT&Tのみからの供給になることが見込まれる。なおBest Buyによれば、同時期に登場する台湾HTCの「Windows Phone 8X」は2年契約時に99.99ドルの販売価格が設定されているという。
Windows Phoneに事実上注力しているNokiaだが、最新の決算レポートによれば同社が2012年第3四半期に米国で販売した端末台数はわずか30万台であり、かなりの苦戦を強いられている。Windows Phoneについては日本での今年度の端末投入が見送られたこともあり、Microsoft自身も苦しい立場に置かれている。価格での対抗措置は、こうした情勢からの浮上策の1つとみられる。