CEATEC JAPAN 2012で東芝が参考出展していた3段変形のノートPCが、同社のノートPCブランド「dynabook」の2012年秋冬新モデル「dynabook R822/T8」として登場した。

同社のモバイルPCシリーズに名付けられる"R"を冠するこのUltrabookは、クラムシェル形状(ノートPC形状)からフラット形状、タブレット形状への変形機構を備えながらも、本体厚19.9mmというUltrabookだ。このたび編集部にて試用機を触る機会を得られたため、外観や使い心地を中心にレビューしていこう。

dynabook R822/T8

■主な仕様   [製品名] dynabook R822   [CPU] Intel Core i5-3317U(1.7GHz)   [チップセット] Mobile Intel HM76 Express   [メモリ] 4GB   [ストレージ] 約128GB SSD   [光学ドライブ] 非搭載   [グラフィックス] Intel HD Graphics 4000(CPU内蔵)   [ディスプレイ] タッチパネル付き12.5型 IPS液晶(1,366×768ドット)   [テレビ機能] 非搭載   [OS] Windows 8 64bit   [店頭予想価格] 150,000円前後  

変形機構は東芝独自で開発したギアスライド方式

早速外観を見ていこう。本体サイズはW326.5×D213×H19.9mmで、12.5型としては少し大きい印象を受ける(例えばレノボの12.5型ノートPC「ThinkPad X230」は305×206.5×19-33.6mm)が、筐体が薄く作られているため、見た目ほど重くは感じない。重量は約1.49kgだ。

ノート形状

ディスプレイは180度倒すことができる

180度倒したところから、キーボード側にスライドするとタブレット形状となる

注目したいのは独自のギアスライド式の変形機構。背面を見ると、液晶の左右にむき出しの2軸ヒンジを備え、左右のヒンジと液晶中央をつなぐ金属の棒(リンクバー)を備えている。リンクバーの中央に天板部と接続する部品が付いており、リンクバーをギアで滑らせ、キーボード側にスムーズに液晶をスライドさせる仕組みだ。

dynabook R822/T8 背面

ヒンジは金属素材剥き出しのもの。リンクバーで片方のヒンジとつながっている

右側のヒンジ

リンクバーは中央で天板もつなぎ、スライド時に左右や中央部が同時に動くよう同期させている

左側のヒンジ

実際の変形は全体的にスムーズで、液晶を倒す時やスライドさせる時に引っ掛かりも感じられなかった。180度倒したフラット状態から、液晶をキーボード側にスライドする際、若干力を入れる必要があるが、特に強い力は必要ない。スライドの際にはギアの回転音がするが、これもさほど気になるものではない。

液晶を倒してタブレット形状に変形。ノートPC状態からは、通常のノートPCのように液晶画面を内側にして手前に閉じることはできない

ノートPC形状からそのまま手前に閉じることはできず、閉じる時はディスプレイを奥に倒し、タブレット形状にする。従って液晶部はずっと表に出続ける状態となるが、液晶には耐指紋コーティングを施した強化ガラスが採用され、傷が付きにくい仕様となっている。

日常的に使う場合はケースに入れて持ち運ぶことが多いと思われるので、画面を傷つける心配は少ないだろう。実際、使っている時に指紋が付いても目立ちにくく感じられた。

ディスプレイには、ベゼルと画面が一体となったフルフラット液晶を採用

なお、ディスプレイはベゼル部の継ぎ目がないフルフラット形状となっている。画面下のベゼル部分のみ、パームレスト部と同じ滑りにくいラバー塗装となっており、タブレット状態で縦に手で持った際、持ちやすいデザインとなっている。

本体はマグネシウム素材を採用し、カラーはダークシルバーのみ。同社の13.3型のUltrabook「dynabook R632」のアルティメットシルバーを暗くしたような色合いだ。

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