想像以上のスタミナ性能を発揮したバッテリ
モバイルノートを選ぶ際に重視する性能は人によって異なるが、誰もが上位に挙げるであろうポイントにバッテリ駆動時間がある。本機を使用してもっとも驚いたのは、そのスタミナ性能だ。とにかくバッテリの持ちがいいのだ。
NECでは、本機のバッテリ性能として、接続維持スタンバイで約320時間、フルHD動画再生で約8時間、ホームページ閲覧で約8時間と公称している。そこで、今回はフルHD動画を再生した際にどれだけ持つか試してみることにした。
検証に使用した動画は、1,920×1,080ドット、H.264、データレート約9Mbps、データサイズ約290MB、再生時間約4分のもの。これをフルスクリーンでリピート再生し、バッテリが切れるまでの時間を計測した。
その結果、9時間4分が経過したところで、「バッテリ残量が6%になったのでACアダプタに接続してください」という最初の警告が表示された。それを無視して再生し続けると、それから13分後に「バッテリ残量4%」の警告が現れた。さらにそれを無視すると、その14分後に自動的にシャットダウンされた。
完全に電源が切れるまでにかかったのは9時間31分で、公称値の8時間を大幅に超えていた。文書作成のように負荷の少ない作業なら、さらに長時間使用できると推測できる。これだけ持てば、一泊程度の出張ならACアダプタなしでもまったく不安を感じない。省電力なNVIDIA Tegra 3ならではの恩恵だと言えるだろう。
■フルHD動画再生時のバッテリ駆動時間 | |
実測値 | 9時間31分 |
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公称値 | 約8時間 |
次期オフィススイート「Office 2013」が軽快に動作
Windows RTには、Microsoft Officeの次期バージョン「Office 2013」のRT版が標準で添付されることになっている。本機にも、その初期エディションのPreview版がプリインストールされており、後にWindows Updateによって最終バージョンが無償で提供される予定だ。
Office 2013 RT版に含まれるアプリは、Word、Excel、PowerPoint、OneNoteの4種類。搭載されている機能はx86アーキテクチャ向けとほぼ同等。当然ながら、従来バージョンとの互換性も保たれており、これまで作成してきたOffice文書をそのまま開くことができる。ただし、マクロやアドインはサポートされていないため、これらを使った機能は利用できない。
いずれのアプリも本機での動作は非常に軽快で、文書の編集や画面の切り替えでもたつきはまったく感じなかった。
Office 2013 Preview版のWord画面。Office 2010に似たリボンユーザーインタフェースを採用している。Modern UIではなくデスクトップモードで動作するため、タブレットスタイルだと使いづらいが、ほぼフル機能のOfficeが使えるのは非常に大きな魅力だ |
Office 2013 Preview版のExcel。サードパーティー製のモバイル向けオフィススイートとでは難しい複雑な表やグラフも編集・表示できるのはありがたい |
Office 2013 Preview版のPowerPoint。Officeアプリの中ではタブレットスタイルでも使いやすい方だった |
ただし、Office 2013はWindows 8のModern UIに最適化されておらず、デスクトップモードで動作する。
Office 2010などと同じリボンユーザーインタフェースを採用しており、画面上部に機能アイコンがずらりと並んでいて小さなタブで切り替える方式だ。
そのため、タブレットスタイルで使うにはある程度の忍耐が必要だ。本機のタッチパネルは感度がいい方だが、それでもタッチ操作で小さなアイコンやメニュー項目を選ぶのにはやや難渋した。本格的な文書を作成する際は、素直にノートスタイルにしてキーボードとトラックパッドを使った方がいいだろう。
基本的にModern UIアプリの使用が中心となるWindows RTで、主要アプリの一つであるOfficeがデスクトップモードとなるのは少し残念だが、バッテリ駆動時間の長い本機で機能制約がほぼない純正Officeを使えるのは非常に大きなメリット。ビジネス用途にも大いに活躍してくれるはずだ。
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