富士フイルムは10月17日、「サラシア」の免疫調整作用について発表した。同社は京都府立大学と共同で、マウスを用いた試験研究を実施。サラシア属植物抽出エキスを摂取すると、免疫力の指標となるNK細胞の活性が高まり、インフルエンザ感染時の症状が軽減されること実証した。
サラシアはインドやスリランカなど南アジア地域に自生するサラシア属植物の総称。インドに古くから伝わる伝承医学(アーユルヴェーダ)でも使用されてきたという。同社はサラシア属植物の抽出エキスを摂取することで、腸内環境が改善され、生体内の免疫力が高まることをこれまでに確認してきた。
このほど、同社は京都府立大学と共同で、マウスにサラシア属植物抽出エキスを摂取させた試験を実施。インフルエンザウイルスに感染させた時の免疫に関連する細胞の活性、臨床的な症状の観察、病理学的解析を行い、感染症に対する同植物抽出エキス摂取の作用解明を試みた。
その結果、同植物抽出エキスを摂取すると、インフルエンザウイルス感染時にNK細胞活性が上昇すること、インフルエンザウイルスに感染したときの症状が軽減したことを確認できた。同植物抽出エキスを摂取することで、ウイルスに対する防御力が高くなったと推察される。
同社はこれらの研究結果をもとに、今後サラシア属植物の新たな応用を検討していくという。