小型ながら多様な入力ソースに対応

PCからの映像入力は、HDMI 1.3、アナログRGB(D-Subから専用コネクタで変換)、コンポジットビデオ入力、USBが利用可能。HDMIとアナログRGBについては一般的なケーブルでの接続が可能だが、USB接続に関しては「M110」に装備されているのがAタイプのコネクタになるので注意が必要。「M110」のAタイプコネクタとPCのAタイプコネクタを接続することになるため、Aタイプ(オス)-Aタイプ(オス)のケーブルを用意する必要がある。それほど一般的に使われるものではないので、アナログRGBもしくはHDMI経由での接続のほうが利用しやすいだろう。

背面のコネクタ部分。左下のユニバーサルI/O端子は、アナログRGBの接続時に利用するもの

アナログRGB(D-Sub15ピン)からユニバーサルI/O端子への変換ケーブルは同梱される

USBでの接続には、Aタイプ(オス)-Aタイプ(オス)のケーブルが必要

またPCからの映像入力に加えて、microSDカードスロットに挿入したメディアのファイル、USB端子に接続したストレージデバイス内のファイルの再生も可能となっているので、あらかじめデータをPDFなどの形式でUSBメディア/メモリカードに保存しておいて再生するという使い方もできる。本体内にも1GBのフラッシュメモリを搭載しているので、あらかじめファイルをコピーしておけば、「M110」のみでのプレゼンテーションも可能だ。

USBポートにはUSBメモリを接続できる

USBメモリ内の写真を再生しているところ

USBメモリなどを接続して入力ソースを「USB」にすると、このようなUSB画面が表示され、表示するファイルやフォルダの選択が可能

USB画面のセットアップメニュー。スライドショーの設定などが行なえる

なお、本体内には1Wのスピーカーを搭載しており、サウンドの再生が可能。コンポジットビデオ入力端子はオーディオ入力端子を兼ねているので、そこから入力された音声を再生できるほか、microSDやUSBストレージ、本体内のフラッシュメモリに保存されたオーディオ/ビデオファイルの再生時に利用できる。ただしスピーカーはあくまでも補助的なものと考えたほうがよさそう。これ単体で迫力の映画を楽しむ……というのにはちょっと厳しい。

OSDの設定メニューには、明るさやコントラスト・色温度など、基本的な項目は揃っている

各種メニューの操作などは、本体上部のコントロールパネルで行なう

まとめ――小型ボディから受ける印象とは裏腹の実力派プロジェクタ

ここまで紹介してきたように、「M110」はそのコンパクトボディからは意外なほどの表示能力をもち、さまざまな使い方ができるモバイルプロジェクタだ。輝度こそモバイルの限界ゆえに最大300ルーメンと据え置き型には及ばないものの、41,980円という価格でWXGAの表示が可能で多彩な入力ソースに対応しているのだから立派なものだ。

そしてやはり特筆すべきはこのサイズ。Ultrabookのようなモバイル向けPCと組み合わせれば、十分な表示能力を持つプレゼンテーション用のセット一式がきわめてコンパクトに持ち歩ける。もっと気軽に打ち合わせやミーティングにプレゼンテーションを活用できるようになり、ビジネスを活性化させてくれる製品だ。