女優の和久井映見が、女優デビュー25年目にして初となる舞台『ホロヴィッツとの対話』に渡辺謙演じる調律師の妻役として出演することが明らかになった。

舞台『ホロヴィッツとの対話』に出演する渡辺謙(左上)、段田安則(右上)、和久井映見(左下)、高泉淳子

和久井が演じるのは、調律師フランツ・モアが深く愛する妻・エリザベス。そのほか、フランツ・モアが支え続けた希代の天才ピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツを段田安則、その妻ワンダ・ホロヴィッツを高泉淳子が演じる。初の舞台に挑戦する和久井は、「これまで共演、スタッフの皆さまとともにカメラのレンズに映る世界を1カットずつ、1シーンずつ積み重ねていく日々を過ごしてきた私が、今回初めて最初から最後まで"カット"の声のかかることのない舞台の世界に、今はただただ緊張しています」と心境を語り、「この仕事を続けてきて今ここでまた自分の目の前に新しい扉をいただけることは、とてもありがたく幸せです」と新たな経験に期待感をのぞかせた。

また、三谷作品については「三谷さんの舞台を観せていただいた時のお客さまの温かな笑い声と空気がいつも印象的で、自分も客席に座りながら、この仕事のすてきさをあらためて教えていただいた瞬間が何度もありました」と振り返り、「その三谷さんの世界の中で、私も自分の役割をきちんと果たすことができますよう、一歩一歩しっかりと歩まなければと思います」と抱負を述べた。三谷は和久井に「既にベテランの域に達した女優さんですが、まだまだ可能性を秘めていると僕は踏んでいます。割とこういう勘は当たるんです。彼女自身も知らない、新たな扉を開けたい」とのコメントを送っている。

渡辺謙にとって12年ぶりの舞台となる本作は、『コンフィダント・絆』(2007年)、『国民の映画』(2011)に続く、三谷が手掛けた海外芸術家シリーズの3作目。光の中を生きる表舞台の人と、その光を支えるバックステージの人との人間ドラマで、三谷は自身のライフワークともいえる作品を同シリーズの新作として選んだ。

同舞台は東京・パルコ劇場で2013年2月9日(土)から3月10日(日)まで、大阪・シアターBRAVA!で2013年3月13日(水)から3月31日(日)まで行われる。