経済同友会は16日、同法人所属企業を対象に実施した女性管理職・役員の登用および活用状況に関するアンケート調査の結果を発表した。同調査は、7月~8月の期間にFAXにて行われ、219社から有効回答を得た。
同調査で女性従業員の登用について調べたところ、日本国内では従業員の41.0%が女性であることが分かった。業種別に見た場合、製造業では24.1%だったのに対し、非製造業では48.4%と倍以上の差が見られた。一方、海外拠点について見ると、製造業では37.9%、非製造業では32.3%となり、製造業の方が女性従業員の割合が高かった。
役員・管理職における女性の割合を尋ねてみると、OECD(経済協力開発機構)加盟国の多くが30%を超える中、日本企業では課長級以上で4.6%、部長級以上では2.7%にとどまることが判明。取締役では2.6%となり、このうち社外取締役については4.5%と女性登用を進めている状況がうかがえる。また、課長級では非製造業が6.9%、製造業が3.6%と、非製造業が製造業の倍近い割合となった。
女性役員の比率の推移はどのような傾向にあるか聞いたところ、13.0%が「増加傾向」にあると回答。それに対して、「女性役員はいない」は58.6%、「横ばい」は27.4%、「減少傾向」は0.9%だった。一方、女性管理職の比率の推移については、52.6%が「増加傾向」にあると答え、「女性管理職はいない」は8%、「横ばい」は37.6%、「減少傾向」は1.9%だった。
女性管理職登用の具体的数値目標を設定していない企業は半数以上の58.0%。反対に、具体的数値目標を設定している企業は15.1%となった。これらの企業では現状の登用率も高く、管理職7.7%、意思決定ボード(部長、役員<取締役・執行役・執行役員>)4.3%、数値目標の平均は2016年までに女性管理職登用15.0%だった。また、数値目標を設定している企業のうち54.5%はCSRレポートを中心に対外的に公表していた。
2011年度総合職の新卒の女性採用実績は28.1%で、全従業員数に占める女性の割合と比べると12.9ポイント低い。業種別では、製造業が23.5%、非製造業が30.7%となっている。
男性の育児休暇取得率は3.5%。中でも従業員5,000人以上の大企業は5.4%と取得率が高い傾向にある。業種別では、製造業が5.1%と、非製造業の2.7%より2.4ポイント多かった。また、男性育児休暇取得率を回答した企業の女性管理職登用は4.7%と全体平均より高くなっていた。
女性の登用・活用のために必要と思う施策については、「行政による育児支援インフラの整備・強化を図る」が最も多く14.5%。以下、「仕事の継続を支援する両立支援施策を充実させる」が11.5%、「職務の明確化、男女差のない公正な評価・処遇制度を確立する」が9.8%と続いた。