マカフィーは、2012年9月のサイバー脅威の状況を発表した。これは、マカフィーのデータセンターが捕捉したウイルスなどの集計をもとに、各項目ごとのトップ10を算出したものだ。また、McAfee Labsブログからの話題を紹介しよう。

ウイルス

9月も脆弱性を狙った攻撃が多発している。最近では、IEの脆弱性(CVE-2012-4969)を狙ったゼロデイ攻撃が発生した。マカフィーでは、この脆弱性を悪用するhtmlファイルをExploit- CVE2012-4969として検知する。すでにマイクロソフトより、修正プログラムが配布されているので、速やかに対応してほしい。8月にも取り上げたが、Blackholeが依然、活発な活動をしている。Webの不正なリダイレクトを経由し(JS/Exploit-Blacoleなど)、JRE(Java Runtime Environment)、Adobe Flash、Adobe Readerなどの脆弱性により、最終的にはZeroAccess、PWS-Zbotなどの偽セキュリティ対策ソフトに感染する。

McAfee Labs東京主任研究員の本城信輔氏は「このうちJREとFlashは最近の1、2カ月に発見されたCVE-2012-1723、CVE-2012-4681、CVE-2012-1535といった脆弱性が悪用されています。感染を未然に防ぐためにも、これらのソフトウェアを最新の状態にしてください。なお、Flashの脆弱性CVE-2012-1535は標的型攻撃にも悪用されているので注意が必要です。これらは、Wordファイルに格納され添付ファイルとして、攻撃対象のユーザに送信されてきます。添付ファイルに対するセキュリティ対策が急務です」と注意喚起している。

表1 2012年9月のウイルストップ10(検知会社数)

順位 ウイルス 件数
1位 Generic!atr 890
2位 W32/Conficker.worm!inf 486
3位 Generic Autorun!inf.g 170
4位 Generic PWS.o 161
5位 JS/Blacole-Redirect.u 159
data data data
6位 Generic PWS.ak 154
7位 ZeroAccess!cfg 122
8位 JS/Exploit-Blacole.gc 120
9位 W32/Mariofev!mem 115
10位 ZeroAccess 106

表2 2012年9月のウイルストップ10(検知データ数)

順位 ウイルス 件数
1位 X97M/Laroux.a.gen 67,731
2位 W32/Conficker.worm!job 12,285
3位 W32/Conficker.worm.gen.a 6,804
4位 W32/Autorun.worm.f 6,325
5位 ZeroAccess 5,536
6位 Generic!atr 5,136
7位 Tibs 3,021
8位 W32/Conficker.worm!inf 2,972
9位 X97M/Laroux.go 2,411
10位 W32/Sality.gen.z 2,201

表3 2012年9月のウイルストップ10(検知マシン数)

順位 ウイルス 件数
1位 Generic!atr 1,707
2位 W32/Conficker.worm.gen.a 1,416
3位 W32/Conficker.worm!job 1,343
4位 W32/Conficker.worm!inf 1,018
5位 Generic Autorun!inf.g 300
6位 Generic PWS.ak 228
7位 Generic PWS.o 227
8位 JS/Blacole-Redirect.u 191
9位 W32/Conficker!mem 175
10位 JS/Exploit-Blacole.gc 156

PUP

PUP(不審なプログラム)は、ランキング、件数ともにほとんど変動のみられない結果となった。いつものことであるが、フリーソフトなどのダウンロードに注意してほしい。

表4 2012年9月の不審なプログラムトップ10(検知会社数)

順位 PUP 件数
1位 Generic PUP.x!bjg 387
2位 Generic PUP.x 330
3位 Adware-OptServe 188
4位 Adware-UCMore 154
5位 Generic PUP.z 124
6位 Generic PUP.d 122
7位 Tool-PassView 112
8位 Exploit-MIME.gen.c 81
9位 Adware-Adon!lnk 75
10位 Adware-OpenCandy.dll 73

表5 2012年9月の不審なプログラムトップ10(検知データ数)

順位 PUP 件数
1位 Generic PUP.x!bjg 46,501
2位 Exploit-MIME.gen.c 16,238
3位 Adware-OptServe 7,209
4位 RemAdm-VNC 6,747
5位 Generic PUP.x 6,540
6位 Generic PUP.d 4,862
7位 Generic PUP.z 2,949
8位 MWS 2,155
9位 Adware-TCent 1,817
10位 Cookie-2O7 1,647

表6 2012年9月の不審なプログラムトップ10(検知マシン数)

順位 PUP 件数
1位 Generic PUP.x!bjg 760
2位 Generic PUP.x 447
3位 Adware-UCMore 249
4位 Adware-OptServe 237
5位 Tool-PassView 162
6位 Generic PUP.d 144
7位 Tool-ProduKey 139
8位 Generic PUP.z 138
9位 Exploit-MIME.gen.c 113
10位 Adware-OpenCandy.dll 110

子どものセキュリティ対策はどうすべき?-McAfee Labsブログより

McAfee Labsブログでは、最新のMcAfee Labsの分析・調査によるセキュリティ解説を行っている。今回は、子どものセキュリティ対策について紹介したい。

ブログのタイトルにある『親を「ウザい」と感じさせることなく』というのが印象的である。親の立場からすれば、つい高圧的な態度をとりがちであるが、それが逆に子どもにとってはインターネットが「禁断の果実」となってしまう。厳しい制限や束縛がかえって逆効果となること指摘している。では、どうすればいいのか?いくつかのアイデアがあるが、子どもが参加するMSN、Facebook、Skype、Google+、Tumblrなどに親も積極的に参加することだとする。実際、そこで何が行われているかを知り、子どもと友人になることも重要としている。それ以外にも、示唆に富んだアイデアが記載してあるので、参考にしてみてはいかがだろうか?