NTTドコモと韓国の通信事業者KTは9日、韓国のNFC事業者であるeB Cardとともに、eB Cardが提供する電子マネーサービス「Cashbee」を、今後NTTドコモが発売するスマートフォンを使って利用できるようにするための検討を行うことで合意し、覚書を締結したと発表した。実現すれば、おサイフケータイが韓国でもそのまま使えるようになる。

NTTドコモでは本合意を、KTとの間で2005年に設立した事業・技術協力委員会において、昨年2月より進めていた、日韓間におけるスマートフォンを利用したシームレスなNFCサービス相互利用の実現のための検討およびサービス提供に向けた、端末・ネットワーク・課金プラットフォームなどの仕様策定に基づく、具体的な成果の1つになるとしている。

ドコモとKTでは今後、日韓双方の国のユーザーが、両国のNFCサービスを利用できる環境を2013年上半期に構築することを目指すとしており、その環境を活用するサービスの第一弾として、ドコモのスマートフォンでCashbeeが利用できるようにするとしている。Cashbeeは、2010年8月にロッテグループのイービーカード社が開始したNFC対応のプリペイド型電子マネーサービスで、ユーザー数は500万人にのぼるとされている。

「このたび国内外でおサイフケータイを利用できる環境が整うことは非常に喜ばしいことです。ドコモは今後も世界に先駆けて築いてきたおサイフケータイのビジネス領域で世界をリードし、国内外でドコモのケータイを便利に使っていただけるよう各国のキャリアやサービスプロバイダーとの連携を進めていきたいと思います。」(ドコモ執行役員フロンティアサービス部長の中山俊樹氏)

「毎年海外旅行客が増加する傾向にある中、国内で使うスマートフォンをそのまま海外に持っていき多様なサービスを利用したいというお客様のニーズは大きい。NFCの多様なサービスを持続的に発掘して海外でも便利に使えるように提携協力を拡大していく。」(KTプロダクト本部長の姜國鉉(カン・クックキョン)氏)