現在リストラを進めているフィンランドの携帯メーカー大手Nokiaが、同国ヘルシンキ郊外のエスプーにある同本社ビル売却を検討しているという。コア事業には直接関係ない、不動産などの資産を整理して運転資金の捻出や固定費を圧縮するのが狙いとみられる。

同件は英Reutersが10月3日(欧州時間)に報じている。Reutersによれば、バルト海に面したNokia本社ビルは2~3億ユーロ(約200~300億円)程度の資産価値があるとみられている。大規模な人員削減や事業撤退、市場での活動縮小など、さまざまな固定費圧縮策を展開するNokiaだが、こうした行為は会社本来の体力や将来的なビジネスの芽を摘み取る可能性もある諸刃の剣であり、不動産など本業とは直接関わりない資産の整理でキャッシュを捻出することを計画したとみられる。なお、7月に開催された投資家向けの説明会において、一連の人員削減策だけでなく、不動産売却がリストラ計画の一環にあることをすでに説明済みだという。

フィンランドの首都ヘルシンキ郊外のエスプー(Espoo)にあるNokia本社。エスプーにはヘルシンキ工科大学があり、学生街としての側面も持っている