カリフォルニア州知事を終え、今月日本公開となる『エクスペンダブルズ2』で銀幕復帰を果たすアーノルド・シュワルツェネッガーだが、自身が『ターミネーター』で発した名台詞「I'll be back」(また戻ってくる)を巡って監督のジェームズ・キャメロンと激論を交わした過去を明かしている。
先日、自叙伝『トータル・リコール:マイ・アンビリーバブリー・トゥルー・ライフ・ストーリー』を出版したばかりのシュワルツェネッガーだが、自身のオーストリア訛りの英語を心配し、「I'll be back」を「I will be back」に変えてもらうようにキャメロン監督に頼み込んでいたと同書に綴られている。
「僕とジェームズが一番意見が合わなかったのは、『I'll be back』のセリフについてなんだ。僕としては『I will be back』の方がいいと思ったんだよ。縮めない方がよりマシーンっぽいし、怖い感じも出るしね。それに『I'll』って言うのはちょっと女っぽいと思ったんだよ。だからジェームズにその問題に気がついてもらうために、何度も『I'll、I'll、I'll』って繰り返し言って文句も言ったんだ。『I'll』にはターミネーターのいかつい感じがしなかったんだよ。でもジェームズは、僕の方がおかしいっていう感じで僕を睨むんだ」
とはいったものの、最終的に「I'll be back」になってしまい、ジェームズに「演技指導しないかわりに、僕の脚本にケチをつけるな」とまで言われたとシュワルツェネッガーは続けている。
「そしたらジェームズは『いや、I'll be backでいこう』って譲らないんだよ。でも僕としてはそれを言う心の準備はできていなかったから、その後ずっとお互いに綱引き状態だったね。そしたら結局ジェームズが『いいかい、ただ僕を信用しろよ。いいね? 君には演技指導しないから、君も僕の脚本にケチをつけないでくれるか』って大声で叫んできたんだよ。でも実際に僕の英語のアクセントで発してみると、やっぱり変だった。でもジェームズは『僕は全然気にしないよ。10通りの言い方で試してみて、その内1つはうまくいくから』って感じさ。まあ、2人でこんなもめ方をしてたわけさ」
そんな心配をしていたシュワルツェネッガーだが、実際「I'll be back」は人気を博して、1984年公開の『ターミネーター』以降、『バトルランナー』『ツインズ』『トータル・リコール』『キンダガートン・コップ』『ジングル・オール・ザ・ウェイ』など他の多くの主演作でも同じセリフを発しており、『エクスペンダブルズ2』でもおなじみのセリフを耳にすることができるという。
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