フェラーリ・ジャパンはこのほど、パリ・モーターショーで「F12 ベルリネッタ」など12気筒および8気筒の新世代ラインナップ5台を発表した。最も注目の集まる「F12 ベルリネッタ」は、最高出力740PSを誇るV12エンジンをアルミ製の軽量なボディに搭載する。
「F12 ベルリネッタ」は、従来モデルよりもホイールベースが短縮され、エンジンやシートはより低い位置に配置される。新型のサスペンションとギアボックスのレイアウトにより、車両後部がコンパクトに。その効果で重量配分はリアが54%と理想的な数値になった。
6,262ccのエンジンは自然吸気V型12気筒として前例のない740PSというパワーを発揮。200バールという高圧の直噴インジェクションを採用しており、燃料消費は15リットル/100kmと、パワーだけでなく環境性能にも優れている。
新設計されたシャシーとボディシェルは12種類の異なるアルミニウム合金が使用され、ねじれ剛性を20%も向上させながら、車両重量は1,525kgときわめて軽量になった。エアロダイナミクスも進化しており、効果的にダウンフォースを発生させつつ、高温時のみ開くアクティブ・ブレーキ・クーリングといった新技術も採用する。
パリ・モーターショーではその他、8気筒モデルの「458」のクーペ、スパイダー、それにリトラクタブル・ハードトップを採用した「カリフォルニア30」が展示された。これらのモデルにより、「嗜好の異なるフェラリスタのために、異なるフェラーリを提供する」という近年のフェラーリのテーマが具現化されたといえる。