国内最大規模のIT・エレクトロニクス技術の展示会「CEATEC JAPAN 2012」が2日、千葉県の幕張メッセで開幕した。富士通ブースでは、視線検出センサーを搭載したデスクトップPCやWindwos 8搭載PCの参考展示のほか、スーパーコンピュータ「京」、「京」のスパコン技術を向上させた「PRIMEHPC FX10」などビジネス向けのクラウド技術をメインに展示している。

富士通ブース

コンシューマ向けで注目したいのが、視線でPCを操作できる「視線テクノロジー」技術の展示。富士通と富士通研究所が共同で技術開発したもので、PCに内蔵した専用のWebカメラと赤外線LEDでユーザーの視線を検知し、視線を動かすだけでマップをスクロールしたり、写真の選択や拡大・縮小といった操作を行える。

視線テクノロジー搭載デスクトップ体験コーナー

視線を動かすことで、マップの移動や写真の拡大などが行える

視線検出の方法としては、「角膜反射法」を用いた視線検出センサーをPCに搭載する。角膜反射法は、PCから赤外線を照射し、眼球で反射した赤外線をCMOSカメラで検知。画像解析ソフトウェアで目の位置と角膜の反射を解析し、計測した視線角度に合わせてコンテンツを操作する仕組みだ。

展示では、同社のデスクトップPC「ESPRIMO」シリーズと思われるPCに視線検出センサーを搭載しており、視線検出技術を体験できる。展示機では、液晶モニタ下部のベゼルに専用のWebカメラと赤外線LEDを備えていた。

展示していたデスクトップPC(写真左)。マップが視線で動くデモを体験。精度は高いものの、動く速度は遅めに感じられた。ただ、遷移速度はソフトウェアの設定によりユーザーが調整できるという

本体のベゼル下部に専用のWebカメラと赤外線LEDを備える

小型のWebカメラでも正確に目の動きを検知できる画像解析ソフトウェアを開発したことで、PCのデザインを損なうことなくセンサーを内蔵できたことが特徴。また、コストを抑えられる点や視線検出の精度が高い点もメリットという。説明員の話によると「2012年中のリリースを予定する」としている。

このほか、参考出展としてWindows 8を搭載したノートPCやタブレットが合計4機種展示されていた。

展示モデルで最も注目されていたのが、液晶着脱型と思われるノートPC。隣に展示してあった「ARROWS Tab」とほぼ同サイズだったことから、10型前後とみられる。OSはWindows 8を搭載し、前面にはWebカメラとWindowsボタンのみを備えている。

着脱型PCの隣には、背面に「ARROWS Tab」と刻印されたタブレットを展示(型番は不明)。現行の「ARROWS Tab」とは異なり、Windows 8を搭載しているほか、非常に薄くなっている。

Windows 8搭載PCの参考出展コーナー

液晶着脱型のノートPC。キーボード側面にはD-Sub端子を備える

液晶部の側面にはイヤホンジャックやマイク入力なども搭載

背面にはFMVのロゴマークが刻印されている

背面に「ARROWS Tab」の文字を載せたタブレット。現在Android OSで販売されている「ARROWS Tab」の新モデルとみられる。タブレット部の側面にはUSBやHDMI端子を搭載

また、同社のUltrabook「LIFEBOOK UH」シリーズがベースと思われるノートPC(2機種)も展示。うち1機種には光学ドライブが搭載されていた。

「LIFEBOOK UH」と形状が似ている、薄型のノートPCが2機種展示されていた

薄型のノートPC2機種のうち、奥の赤いモデルは「UH75/H」がベースと見られるが、手前の1機種には光学ドライブを搭載している。なお、パームレスト部に貼ってあったCPUのシールは「Core i5」となっていた

いずれも詳細なサイズや重量、スペックなどは非公開ながら、ブース説明員の話によると「秋冬モデルを意識した、参考出展のPC」とのこと。先の視線検出センサー搭載PCと合わせて、登場を期待したい。

富士通と理化学研究所が共同開発し、2012年9月から運用しているスーパーコンピュータ「京」も展示。また、「京」をベースに開発した「PRIMEHPC FX10」も展示されていた

4基の車載カメラの情報を合成し3Dで表示するといった技術も展示。従来は2次元での表示だったため特定の視点からしか表示できなかったが、3D表示することで全視点からの表示が可能になった

同社の携帯電話をアピールするコンパニオンのお姉さんたち