「合掌造りと五箇山民謡」切手シート

郵便局株式会社・北陸支社では、9月13日から富山県内の郵便局で「合掌造りと五箇山民謡」と題したオリジナルフレーム切手を発売。販売数は1,000部の予定。

販売所は富山県内の簡易郵便局を除く全郵便局(212局)。切手シートは80円切手が10枚の構成で1シート1,200円。なお、通信販売はしない。

今回発売されたオリジナルフレーム切手の特徴は、「合掌造りと五箇山民謡」のテーマに沿って世界遺産、五箇山の魅力を表現したデザインにある。合掌造りの民家を上からのアングルで撮影した画像は茅葺屋根の特徴を見事にとらえた美しいもの。

切手本体のデザインは、春の桜と合掌造りの風景や、夏の晴れ渡る空をバックにした合掌造りの民家、色づく秋の集落の様子、雪の降りしきる厳しい冬の様子の画像もあり、小さな切手に五箇山の大きな魅力を詰め込んだものとなっている。

さらに、夜ライトアップされた合掌造りの民家の前で五箇山民謡「麦屋節」踊っているものや、ゆかた姿で「おさよ節」を踊っているデザインの切手もある。

そのほか、「こきりこ節」を舞台で踊るもの、雪の中で藁の雪沓を履いて「といちんさ節」を踊るものなどがある。なお、「こきりこ節」と「麦屋節」は国の選択無形民俗文化財に選ばれている。

五箇山の歴史は古く、1183年の源平の戦いにさかのぼる。源(木曾)義仲と平維盛が富山県と石川県の県境、倶利伽羅峠で戦い、その際敗れた平家の落人が住んだと言われる。さらに南北朝争乱時代の後期に後南朝の遺臣が五箇山に入り、養蚕や和紙製造を始めたと伝えられている。

切妻屋根の急傾斜が特徴的な合掌造りは、この地域が豪雪地帯であることから、雪の重みに耐えるよう工夫されたもの。1994年に重要伝統的建造物群保存地区に選定され、1995年、五箇山地区に隣接する白川郷とともに世界遺産に登録された。