電気通信事業者協会(TCA)が発表する携帯電話契約数において、ソフトバンクが8カ月連続で1位をキープしている。月間純増数は14カ月連続で20万件以上を記録し、同社として初めて累計契約数3,000万件を突破した。ここに至る理由として、iPhoneの存在が新たなユーザー獲得に寄与したことは想像できるが、実際にどのような関係が見られるのか、過去に遡って同社の契約者数推移を振り返ってみよう。
初代iPhoneが登場した2007年、同社の累計契約者数(12月末時点)は1,761万3,500件だった。これは通信方式の関係で日本では発売されなかった。翌年、3G対応のiPhone 3Gが登場。日本でも7月に発売が開始された。この年の累計契約者数は19,99万9,800件。増加率で見ると、前年比113.5%を記録し、同期におけるNTTドコモ(101.9%)、au(103.4%)を大きく上回っている。
さらに、処理性能やバッテリー寿命などが改良されたiPhone 3GSが登場した2009年には累計契約者数2,000万人を突破。スマートフォンが徐々に普及し始めた2010年には、デザインを大きく変えたiPhone 4が登場。累計契約者数を前年比112.6%と再び大きく延ばした。
昨年登場したiPhone 4Sは、ソフトバンクと並んでauも同じ端末の販売を開始した。ソフトバンクの累計契約者数は増加率で過去最高を記録し、前年比114.1%。auも前年比105.4%と、2007年以降の数字で見ると最高値を出している。
先月発表された数字で見ると、ソフトバンクはここまでの値で前年比108.3%と今年も堅調な増加率を保っている。auも前年の増加率は上回りそうな勢いだ。9月に新機種iPhone 5が発売されたことによって、ソフトバンク・au両社では新規/MNPのiPhoneユーザー獲得合戦の様相を呈している。今後の契約者数推移に影響が出るのか、注目したい。