流通経済研究所は25日、ネットスーパーのサイト上で料理レシピを提案した際の主な販促効果について取りまとめたものを発表した。

大手GMSやSMによるネットスーパー事業への参入やサービス強化の影響もあり、消費者間ではネットスーパーの認知度や利用が普及しつつある。同研究所が実施した消費者調査においても、ネットスーパーの利用経験者は2割強に上るとのこと。今回、同研究所はネットスーパーの販促施策として、サイト上で紹介する「料理レシピ情報」の有効性に関する調査を実施、効果が確認されたという。

それによると、ネットスーパーのサイト内でレシピを掲載した期間中、レシピ情報を参考に買い物した利用者の客単価は4,900円と、そのほかの利用者の客単価4,400円に比べて約10%(500円)も高く推移したことが判明。買い物1回あたりの購買点数も24.7点と、一般利用者の20.3点より4.4点多いことが分かった。また、レシピを参考に買い物した利用者は、全体の約1割だった。

客単価や購買点数が増えた理由としては、レシピで紹介する料理を作る上で、必要な生鮮食品や調味料製品などのアイテムの購買が促されたことが主な要因と考えられる。加えて、「レシピを閲覧したことで"計画外"の買い物が生じ、当初の想定よりも購買ボリュームが増えたことも推察できる」(同研究所)。

なお、今回の実験では、レシピ上に特定メーカーの製品も掲載し、その販売推移も調査。レシピには、野菜・肉などの生鮮食品のほかに、調味料や加工食品などのメーカー製品(3社分・計19アイテム)も載せ、それらのメーカー製品の販売推移を調べたところ、レシピ掲載期間中の販売数量は、掲載前水準の5.6倍に増加(19アイテム合算の実績比較)。この結果から、「メーカー側にとっても、自社商品の販売を促す上で、メニューと絡めた商品提案が有効であることが分かった」(同研究所)としている。

同研究所は今後の課題として、「レシピというコンテンツでの販売促進効果をさらに高める上では、継続的に紹介、掲載する形を整えることが望ましい」と指摘した上で、「定番コンテンツ化できれば、その認知も広がり、レシピに接触する利用者が増える公算が大きくなる」と分析している。