大阪商工会議所は25日、「日中関係が企業経営に及ぼす影響に関する緊急調査」(中間集計)の結果を発表した。同調査は、国際取引を行っている会員企業150社を対象に9月20日~28日の期間に行われたもの。

それによると、昨今の日中関係により企業経営に「既に影響が生じている」とした企業は16.0%、「現在のところ影響は生じていないが、今後影響が生じる可能性がある」と答えた企業は58.0%で、これらを合わせると、約4社に3社となる74.0%が深刻に受けとめていることが分かった。

昨今の日中関係が企業経営に及ぼす影響(出典:大阪商工会議所Webサイト)

企業経営への具体的な影響では、「日本から中国への輸出の停滞・遅延」の55.0%と「中国から日本などへの輸出の停滞・遅延」の47.7%が、それぞれ約半数のポイントを集め上位2位にランクイン。以下、「取引・商談の中止・延期」が34.2%、「中国国内における生産・営業活動の停滞(操業停止・休業など)」が28.8%、「中国国内における製商品・部材販売の停滞」が22.5%と続いた。

中国国内での生産・営業活動の停滞への対応策を尋ねると、34.4%が「今のところ特に対応策は考えていない」と回答。一方、「アジア諸国などで代替生産・営業する」は31.3%、「日本で代替生産・営業する」は25.0%だった。

中国国内での製商品・部材の調達停滞や輸出入の停滞への対応策については、「今のところ特に対応策は考えていない」が34.1%、「アジア諸国などから調達する」が31.8%、「日本から調達する」が29.5%となった。

昨今の日中関係が今年度の売上に及ぼす影響予想を聞いたところ、「大幅に減少する」の2.7%と「多少減少する」の46.8%を合わせた約半数の49.5%が、今年度の売上減少を予想していることが判明。反対に「ほとんど影響はない」は31.5%だった。

中国との輸出入が停滞・遅延している原因を質問すると、圧倒的に多かったのは「中国当局による輸出入規制や検査の強化・遅延」で61.9%。中でもすでに輸出入が停滞・遅延している企業に限定した場合、「中国当局による輸出入規制や検査の強化・遅延」と回答した割合は71.4%に上った。このほか、「中国の取引先企業の生産・営業活動の停滞(操業停止・休業など)」が22.6%、「中国企業による取引拒否・遅延・見直し」が14.3%となった。

最後に、今回の日中関係悪化を受けた中長期の中国ビジネス縮小の有無を尋ねたところ、「現時点ではわからない」が最も多く43.6%、次に「直ちに縮小することはしない」が35.3%となった。一方、「縮小に向けて検討する」は7.5%、「縮小に着手する」と答えた企業は0%だった。