親鳥のおなかの下から顔を出す赤ちゃん

海遊館(大阪市港区海岸通1)では2日、オウサマペンギンの赤ちゃん1羽が誕生した。誕生から数週間は親鳥がおなかの下で保護しており、赤ちゃんは時折、顔をのぞかせている。

希少なオウサマペンギンの赤ちゃんが誕生

オウサマペンギンは、国内の動物園・水族館が協力して繁殖計画を定め、「種の保存」を推進する希少な野生動物。同館でのオウサマペンギンの誕生は、通算38羽目となった。

オウサマペンギンは、ペンギンの中でも特別な方法で卵を温める。巣を作らず、卵を直接足の上に載せ、おなかの皮膚をかぶせて卵を包み込む。卵は、オスとメスが交代で温め、およそ60日後に赤ちゃんが誕生する。

獣医師が卵を割り、誕生を手助け

同館では、オスとメスが卵を受け渡す時に卵を落として割ってしまったり、プールに落としたりする事故を防ぐため、産卵後すぐに模造の卵とすり替える工夫を行っている。

卵はふ卵器に収容し、赤ちゃんが中から殻を割り始めてから、親鳥に戻す。今回の赤ちゃんは、卵から出るのに通常よりも時間がかかったため、同館の獣医師が卵の殻を割って赤ちゃんを誕生させたという。

現在、赤ちゃんの健康状態は良好で、飼育係員は毎日、体重を測定し親鳥とともに成長を見守っている。9月2日のふ化日に242gだった体重は、9月7日現在で271gまで増加している。

同館では、赤ちゃんが成長し、かわいらしい姿が見やすくなったタイミングで、あらためて告知を行う予定にしている。

毎日、体重を測定し、元気に成長していることを確認