運命を切り開くプリンセスVS何でも欲しがるワガママ女王の戦いを描く映画『白雪姫と鏡の女王』(配給:ギャガ)が、9月14日(金)より公開となる。すでに白雪姫をモチーフにした映画『スノーホワイト』が公開されているが、本作の見どころはどこにあるのか。編集部のMが紹介する。

白雪姫をモチーフにした映画が2本公開、こんなことって過去にもあるの?

白雪姫という世界的に有名な童話をモチーフにした映画が同じ年に公開、というのはかなりのインパクトであるが、過去にも同じようなことはあったのだろうか?Mの記憶をひもといてみると、何作かあった。

白雪姫と七人の小人たち

例えば2008年公開の『幻影師アイゼンハイム』(主演は『レッドドラゴン』のエドワード・ノートン)と2007年公開の『プレステージ』(主演は『X-MEN』シリーズのヒュー・ジャックマンとバットマンのクリスチャン・ベイル)。幻影師と奇術師ということで、どちらも人の目を操り、現実では到底不可能なことがあたかも実際に起きたように見せることから、「なんかこんなトリック系の映画、この前も公開されていたような……?」とデジャヴを感じたものだ。

そしてココ・シャネルというあの有名ナショナルブランドを創設した女性を主人公にした2008年の『ココ・シャネル』(大女優シャーリー・マクレーンが主演)と2009年公開の『ココ・アヴァン・シャネル』(主演は『アメリ』のオドレイ・トトゥ)。こちらも「あれ、この前シャネルの伝記映画やっていたよね? またやるの?」とマスコミ向けの試写状をみて思ったものだ。

日本であるものをテーマにした映画が連続公開

しかしこれらの作品は日本での公開がそれぞれ1年ほどあいていたので、今回の白雪姫とはちょっと違う。しかし、1998年に二つの“隕石(いんせき)落下”をテーマにした映画公開されている。一つはその年の6月に公開された『ディープ・インパクト』(『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのフロドことイライジャ・ウッドも出演)、そしてもう一つは主題歌が耳にすぐよみがえりそうな12月公開の『アルマゲドン』だ。

要するにわりとテーマが似てしまうことはありがちと言えば、ありがち。とはいえなぜ白雪姫がかぶったかというと、答えは明確。グリム童話の「白雪姫」が誕生して2012年で200年になる。「記念すべき2012年に『白雪姫』を映画化しよう!」となってしまったのである。そう言われると日本でも同じようなことがあったような……と感じた皆さん、勘がいい!日本でも2011年から今年にかけてあるものをテーマにした映画が連続公開していた。そう、「はやぶさ」だ。『はやぶさ HAYABUSA BACK TO THE EARTH』、『はやぶさ/HAYABUSA』、『おかえり、はやぶさ』、『はやぶさ 遥かなる帰還』……。もしかすると海外で「日本人は『はやぶさ』をテーマにこんなに映画を作っている!!」と驚かれいているかもしれない。

三つの見どころはココ!!

ジュリア・ロバーツが悪役初挑戦

さて本題に戻り、『白雪姫と鏡の女王』の注目ポイントを三つあげるなら、ジュリア・ロバーツが初悪役、衣装を担当したのは故・石岡瑛子で本作が遺作である、女王の衣装にはスワロフスキーのエレメントが使われている、になるだろう。これらに加え、Mがここはチェック・ポイントと考える三つはコチラだ。

1.ヒロインを思い出してほしい
女王役のジュリア・ロバーツに目がいきがちだが、ヒロインは白雪姫だ。演じるのはリリー・コリンズ。エンドロールではニナ・ハートの60年代のポップソング『Love』を力強く歌い、父親を驚かせている。この名を聞いて、そしてこのエピソードで「おや!」と思ったあなたは鋭い。そう、彼女の父親はフィル・コリンズ(映画『カリブの熱い夜』の主題歌、脳内再生した人、仲間!)なのだ。ジュリア・ロバーツの存在感に圧倒されそうだが、白雪姫を演じたリリーにも、特にあのインパクトのある太い眉にも注目いただきたい。

リリー・コリンズ

2.エンドロールはダンスにも注目
そのリリー・コリンズが美声を披露するエンドロールだが、見た瞬間に「これは!」とある国を思い出すことだろう。そう、エンドロールはこれぞインド映画というテイストになっているのだ。そこでハッと思い出したあなたは映画通。監督のターセム・シン・ダンドワールはインド生まれ。彼の日本公開作は『ザ・セル』、『落下の王国』(これはMのイチオシ)、『インモータルズ -神々の戦い-』とすべて観ているのだが、これほどインドらしさを出した作品はない。よって彼のルーツを忘れてしまいがちだが、今回はエンドロールで思い出させてくれる。というわけでエンドロールにも注目して楽しむといいだろう。

余談だがインド映画と言えば劇中に突如登場するダンスシーンが有名。これがないとインドでは映画の興行収入に影響がでるほど。アカデミー賞では作品賞を含め8部門を受賞した『スラムドッグ$ミリオネア』も映画の舞台がインドということで、エンドロールを使い※ボリウッドダンスを披露している。

※ボリウッド
「ボリウッド」はムンバイの旧称「ボンベイ」の頭文字「ボ」と「ハリウッド」を組み合わせた俗語で、インド映画の中心地であるムンバイの俗称

3.ショーン・ビーンを探せ! Mは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズが大好きでロケ地のニュージーランドではホビット村ではなくエルフの森やアイゼンガルドがあったという、一見ただの森林や、一見ただの野原を見てテンションが上がる人間なのだが、本作にはその『ロード~』でボロミア役を演じたショーン・ビーンが出演しているのだ!ということでひそかにそこを楽しみにしていたのだが……。Mの個人的な感想は「えぇぇ、これだけしか出てないの!」。果たしてショーン・ビーンはどのシーンでいつ登場するのか!そこもよかったら気にして楽しんでいただきたい。

以上『白雪姫と鏡の女王』の見どころなどを紹介したが、いかがだったろうか。どんな映画か気になった方は映画館へgo!

映画『白雪姫と鏡の女王』は 9月14日(金)より全国ロードショー

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