――劇場版の新キャラクター・ロビンについて、キャラクターデザインをする上で意識した部分をお教えください。
ロビンについては、実はテレビシリーズの時と全く制作状況が違うんです。まず脚本ができあがっていて、監督のラフスケッチもあったので、それを僕なりにアレンジしただけなんです。なので、(テレビシリーズのキャラクターデザインと比べて)ずいぶん楽でした。 身につけているものについては、パーツの写真資料をいただいた上で「市販品を寄せ集めているイメージ」という情報を元にデザインしました。体全体にローラーをつけてほしいという明確な要望もあったので、基本的に作業自体は楽でした。ただ、制作にかけられる時間についてはテレビ版の時より短かったですね。
――タイガーとバーナビーのメインカラーについて、どのようにして決めたのでしょうか?
タイガーについてはシンプルで、僕の好きな色が黄緑だからですね。本当は(タイガーのカラーについて)もう少し黄色が強くてもよかったんですけど、最終的に現在の色になりました。それと、やはりヒーローらしい色にはしたくないという思いはありましたね。
実を言うと、僕はバーナビーについて、勝手にサブキャラクターだと思い込んでいたんですよ。虎徹とバディを組むとは聞いていたんですけど、僕の中でどうにもサブの役割だと思えて仕方なかったんです。それで、メインをはらないキャラクターの方に、あえて赤を使いたいと思って指定しました。
――虎徹とバーナビ-の私服の色も、ヒーロースーツと色味が似ていますね。
ヒーローたちの私服もデザインしましたが、バーナビーの服など、一部僕のデザインではないものもあります。
虎徹とバーナビーの私服の色については、タイガーとバーナビーの色を決めたので、私服もその系統の色で、ということになったんだと思います。虎徹の私服のデザインは僕が手がけていますが、色はアニメ制作サイドでつけてもらっています。
――今回の映画で描かれるシリーズ冒頭では特に対照的な部分が強調されているふたりですが、キャラクターの造形という部分で差異をつけた部分はありますか?
ヒーロースーツについては、タイガーは角の部分がひとつだからバーナビーはふたつにしようだとか、その程度ですね。ふたりのスーツは同じ企業で開発されたものに見えるよう描きましたが、タイガーの顔とバーナビーの顔は、よく見てみると造形のルールが違うんです。ですが、色の配置などを工夫したおかげで、意外にといっては何ですが、きちんとコンビに見えているかと思います。
ふたりのルックスに差をつけるという部分で言うと、バーナビーは素早く動けるという設定だったので流線型にした方がいいんだろうなとか、タイガーはパンチが強いという指示があったので手を大きくしようとしたり、そういった部分でしょうか。戦隊ヒーローのデザインのバリエーションとは違う差の付け方をしているかな、とは思います。
最後は、各ヒーローについてのデザインこぼれ話を伺っていく。あのキャラの意外な真実も!?