カスペルスキーは、同社の2013年版セキュリティ製品群を発表した。最上位版である「カスペルスキー 2013 マルチプラットフォーム セキュリティ」は、1本でユーザーが持つWindows、Mac、Androidとユーザーの複数デバイスをカバーし、台数ではなく個人が有するすべてのデバイスを保護する「プライベート版」を新たなライセンス形態として導入している。10月11日より発売する。

「カスペルスキー 2013 マルチプラットフォーム セキュリティ」

製品は、「カスペルスキー 2013 マルチプラットフォームセキュリティ」(1年プライベート版 価格7,140円 / 3年プライベート版 価格11,340円 / 1年3台版 価格7,140円 / 3年3台版 価格11,340円)、ダウンロード版1年プライベート版の価格が5,980円、3年プライベート版が価格9,800円、1年3台版の価格が6,279円、3年3台版の価格が10,290円。対応OSは、Windows XP(SP2) / Vista / 7 / 8。

「カスペルスキー アンチウイルス 2013」(1年3台版 価格4,095円)、「カスペルスキー セキュリティ for Mac」(ダウンロード版 1年1台版 価格4,400円、2年1台版 価格7,718円)、「カスペルスキー モバイル セキュリティ for Android」(1年1台版 価格2,980円 / 1年1台版 ツインパック価格4,480円)。Mac版がMac OS X 10.6から10.8。Androidは2.2、2.3、4.x。




代表取締役社長 川合林太郎氏

都内で開かれた発表会において、同社代表取締役社長川合林太郎氏から製品コンセプトについての発表があった。川合氏は、スマートフォンやMacを含んだプラットフォームの多様化について言及、Androidについては今年の6月にマルウェアのユニーク数が30,000件、Mac OSについてもFlashback/Flashfakeの感染が数が全世界で70万台、日本でも3,864台の感染がある。我々は、プラットフォームに依存しない製品を去年からリリースしているが、今回はさらに保護する対象を"モノ"から"人"へと、デバイスではなくユーザー個人を保護するプライベートライセンスを導入しました。「マルチプラットフォーム」、「プライベートライセンス」、そして製品自体の技術力を表す「デザインコンセプト」をもって、"これさえあれば"という安心感を提供して行きたいと2013年版製品のコンセプトを述べた。

「マルチプラットフォーム」、「プライベートライセンス」「デザインコンセプト」が製品コンセプト

Windowsを保護する「カスペルスキー インターネット セキュリティ」では、ネット決済保護機能、脆弱性対策機能、情報ろうえい防止機能など重大な結果を犯しかねないリスクに対して重点的に新機能を搭載している。ネット決済保護機能では、ユーザーがオンライン決済システムやオンラインバンキングなどを開く場合に同社のリストと照合、一致した場合にはブラウザーがネット決済保護モードへと切り替わる。保護モードでは、セキュリティキーボードや入力データを特殊なドライバにより保護する技術などを使い、セキュアなやりとりが可能となる。

ネット決済保護機能

オンラインバンキングやネット決済に強いセキュリティ機能を提供する

脆弱性対策機能では、マルウェアで悪用される可能性が高い一般に普及しているアプリケーションの脆弱性対策を提供。同社では、脆弱性攻撃を検知するための特別なシグネチャーの提供、プロアクティブディフェンスなどのテクノロジーも提供しているが、まだ発見されていない脆弱性において、パッチの更新など一般的な方法では対処できない対策を提供する。同機能では、脆弱性を用いた攻撃でよく利用されるAdobe ReaderやInternet Explorer、Microsoft Officeなど特定のアプリケーションの挙動を徹底的に分析、起動の試行前後の動作を監視することで、いわゆるゼロディ攻撃などへの対策にも有効な機能となる。そのほか保護者管理機能、セキュリティキーボードなどにも新機能が加えられ、より強固なセキュリティ対策を提供する。

Mac版では、クラウドとローカルのハイブリッドでの防御によるWebサイト保護機能が加わることで従来のアンチウイルのみの製品名から「セキュリティ for Mac」へと変更された。OS X Mountain Lion(10.8)に対応するほか、保護者による管理機能も追加されている。

脆弱性対策では、よく悪用される特定アプリケーションの動作を徹底的に解析する

発表会最後に、パッケージともに登場した巨大なクマ。同社代表取締役社長川合氏は、「ロシアと言えばクマ。クマという動物は見かけによらず俊敏で、賢く、そして豊かさを象徴しています。またカスペルスキーのコーポレートカラーである緑色を纏っています。"Save the World"というインターネット上の脅威から世界を守るという創始者であるユージン・カスペルスキーの企業理念を具現化してもらうためにこのグリーンベアを紹介しました」と製品のプロモーションにも活躍していくグリーンベアを紹介した。

巨大なマスコット「グリーンベアー」