宮崎県日南市の油津で復元された帆船「チョロ船」の乗船体験が実施される。日時は9月15日(土)13:30~15:30。開催場所はサピア日南ショッピングセンター横の堀川運河。料金は無料。
なお、天候によっては中止の可能性もある。
日南市の油津は大正末期から昭和16年頃まで東洋一と言われたマグロ基地として栄えた。「チョロ船」はマグロ、カジキマグロ、シイラ漁を主体にした小型帆走木造船で、時には200キロを超すマグロを釣り上げることもあったと言われている。
チョロ船は全長約8m、幅約2.4mで、大小2本のマストを持つ。船首部分には1畳ほどの空間があり、漁の合間に休憩することもできる構造だ。
船体には地元特産の飫肥(おび)杉が使われている。飫肥杉は油分を多く含んでいるため、水に強く、腐りにくい。また粘り気が強く衝撃に強い、弾力がある、軽量といった特徴を持っているため、古くから造船に使われてきた木材だ。
昭和初期には50隻を超えるチョロ船が油津周辺で活躍していたが、エンジン船の普及により廃れてしまった。そんなチョロ船が、平成13年に「チョロ船を復元する会」により復元された。
また、「日南市産業活性化協議会」により2隻目のチョロ船が復元。平成21年にも1隻復元され、祭りや乗船体験などに活用されて地域活性の重要な役割を果たしている。
油津は飫肥杉を使った「夢見橋」や、「堀川資料館」、「油津赤レンガ館」、明治36年に架けられた石組みの橋「堀川橋」は、映画「男はつらいよ 寅次郎の青春」のロケ地になったことで知られている。