8月24日(米国時間)に、米Appleと韓国Samsung Electronicsの特許侵害裁判の判決が言い渡された。この判決が出たタイミングでApple CEOのTim Cook氏とGoogle CEOのLarry Page氏が会談を持ち、両社間での特許紛争について現場レベルをも巻き込んだ話し合いが秘密裏に行われていたと、英Reutersが伝えている。Android OSを採用するSamsungの裁判は、Googleの代理戦争ともいわれ、その行方に注目が集まっている。

Reutersが関係者の話として伝えたところによれば、Cook氏とPage氏が電話会議を行ったのは判決の出た8月24日で、両社の現場レベルの関係者をも巻き込んだ話し合いが進行中だという。両者の会談自体では特に何も重要な決定は行われなかったものの、今後数週間内にも再び話し合いが持たれる予定だという。ただし、次回の話し合いの日程は未調整の段階とのこと。30日にReutersがこの情報を入手した時点では、その直後の週末である31日の金曜日が次回会談の予定日とされていたが、最終的に不明な理由で延期が決まったという。

AppleとSamsungの特許侵害裁判は、Appleが「デザイン特許の侵害」を、Samsungが「技術特許の侵害」で互いを訴える形で進んだ、今後の司法判断の模範となる非常にユニークなケースとして注目を集めていた。最終的に、通信技術の基本特許となるSamsungの主張は認められず、一方でデザインの創造性を訴えたAppleの主張がほぼ全面的に認められるなど、今後のSamsungのスマートフォンでの米国ならびに世界戦略に大きな影響を及ぼすものとなった。

一方でこの裁判は、GoogleのモバイルOSであるAndroidを担ぐ最大メーカーであるSamsungをターゲットとしてAppleが選んだともいわれており、いわばApple対Googleの代理戦争をSamsungが担っていたと一般には見られている。今回米国でAppleの主張が全面的に認められたことで、Samsungの背後にいるGoogleや、同OSを利用する他のメーカーへの判決の影響は避けられず、今回のような緊急の会談が持たれたようだ。だがその会談の内容・行方には不明な点が多く、現時点ではGoogleが裁判の行方を真剣に捉えているということが判明したに過ぎない。