海外の展示会では出展企業が様々なノベルティーグッズを配っている。8月31日から9月5日(現地時間)までドイツ・ベルリンで開催された「IFA 2012」も同様で、英Vodafoneが海外からの来訪者に便利なものを配布していた。同社ブースではなんとプリペイドSIMカードを無料で配布していたのだ。
SIMカードは登録費なども不要で完全無料。利用するには自分で登録する必要があるとのこと。SIMのパッケージには説明書は同封されてなく、ぱっと見てわかるのは登録先のサイトのURL程度。書かれているドイツ語を翻訳ソフトで解読してみると、ein woche gratisはweek free、1週間の利用が無料の意味だ。あわせて書かれているsurfen & simsenはサーフ=ネットアクセスと、SMS送信、ということだろう。
PCのブラウザで登録先のURLに接続。するとドイツ語の表記になるが、「English」のリンクがあり、そこをクリックすれば英語になる。SIMのシリアル番号や電話番号が台紙の裏に記載されているので、こちらを参考に必要事項を記入していけばよい。
電話番号の頭4桁はArea Codeなので一覧から選び、その後の番号を「Number」に入力。また住所はホテルの住所でもよく、「通り名」「番地」「郵便番号」「都市」程度なのでホテル名など細かい記載をする必要はない。そしてすべてを入力し終わったら送信すれば登録受付が完了する。
続いてSIMカードを携帯電話に装着しよう。もちろんだがSIMフリーの携帯電話が必要になる。今回はドコモのスマートフォンをSIMロック解除したものを利用してみた。電池蓋を外してFOMAカードを抜き、VodafoneのSIMに入れ替える。そして電源を入れて起動すると、しばらくしてPINコードの入力画面が表示される。このPINコードはSIMカードの台紙の裏に記載されており、あらかじめ隠されているのでコインなどを使ってスクラッチ部分をはがし、4桁のPINコードを表示させよう。なおPINコードは3回間違うとSIMの利用がロックされてしまうので間違わないように正確に入力する必要がある。
PINが正しく入力されれば、しばらくして待ち受け画面が表示される。アンテナマークがたたないようであれば、設定画面からモバイルネットワークを手動で検索してVodafoneを選べばよいが、ベルリンなど大都市であれば通常自動で接続されるだろう。ただし設定のモバイルネットワークからネットワークモードを「GSM/3G(自動モード)」に切り替えたほうがよい。海外は地下のエリアなど3Gの電波が届かず2G(GSM)しか飛んでいないこともあるため、GSMの電波もつかむようにしておいたほうがよいのだ。
また合わせてモバイルネットワークからアクセスポイント名の設定を確認しておこう。APNは通常入れたSIMカードに対して自動設定されるが、端末やSIMによっては手動での設定が必要となる。ちなみにVodafoneドイツのプリペイドSIMカードのAPN設定は以下のとおり。
APN | internet |
---|---|
ユーザー名 | 無し |
パスワード | 無し |
APN設定を確認し、設定の欄にチェックをすれば、すぐにデータ通信が可能になる。実際にGoogleマップで地図を見たり、Gmailの送受信をするなど問題なく利用できた。1週間使い放題であれば、展示会期間中ほぼ使えることになる計算であり、Vodafoneの店舗で購入する手間を考えても非常に有用だ。ただし注意点が1つ。使い放題といっても実際は1日あたり通信規制がかかるようだ。VodafoneのWebページを見ると、1カ月定額パッケージで1日200MBとあるので、本SIMカードも同様と考えられる。まぁ旅先での利用であるし、1日それだけあれば十分足りるだろう。
またこのSIMはテザリングにも対応しているようである。ドコモのSIMロック解除端末はごく一部の機種を除き海外SIMでのテザリングに対応してないので、海外で購入したSIMフリー端末にこのSIMを入れ替えてみたところ、PCからテザリング接続で問題なくデータ通信が可能だった。とはいえPCからの利用は1日上限にすぐ達してしまいそうなので使ったデータ通信量に気をつけておきたい。
Vodafoneは昨年もプリペイドSIMの無料配布を行っており、来客には好評だった。国際電話やより多くの通話をしたい場合は残高を追加すれば普通のプリペイドSIMと同様に利用もでき、自社ネットワークをアピールするのに最適なノベルティーともいえるだろう。ぜひ来年以降も無料配布を続けて欲しいものだ。
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