ファイルのバックアップや共有にオンラインストレージサービスを利用している人は多いだろう。だが、どれを使えば最も便利でお得なのだろう。現在提供されている主なオンラインストレージサービスについて、料金や対応端末を比較してみた。なるべく基準をそろえ、サービス別でなく項目別に"ヨコ割り"で一覧してみよう。
今回比較するのは下記の7種類のサービス。EvernoteとiCloudは他の5つと性格が異なるが、利用している人は多いと思われるので、ご参考まで。
無料でどれだけ使える?
それぞれの無料プランでどれだけの容量が利用できるのだろうか。おおむね5GBが標準的な値だが、トップのSkyDriveは7GB。また、Yahoo!ボックスは「Yahoo!プレミアム会員」「Yahoo! BB会員」なら無料で50GBを利用できる。現在のところ、スマートフォンで他アプリとの連携はほとんど無いようだが、専用アプリやブラウザでの閲覧、PCのデータバックアップ先としては十分に活用できるだろう。Evernoteは容量制限なしで、1カ月間のアップロード容量が60MBというサービス形態になっている。
有料プランはどれが一番お得?
無料プランが手狭になったら、有料で容量の追加を検討しなくてはならない。それぞれの有料プランを書き出してみたが、各プランの条件がバラバラで、比較しようと思ってもどれがお得なのかがよくわからない。そこで、全てのプランを「月額」「円」で換算し、容量別に並べたのが下の表だ。
まずはどの程度の容量が必要か、アタリをつけて見てみよう。お手軽に少しだけ足して使いたいなら、SkyDriveの20GB・800円/年コース(月額換算約66.67円)が最もお得。Google Driveは25GB・$2.49だが、Gmailの容量が通常の10GBから25GBに増えるという特典付きだ。Gmailにいろいろ溜めこんでいる人にはオマケもうれしいプラン。
一番の激戦区は100GB。クリエイティブ系の人でもかなり実用的に使えるプランだろう。こちらも金額で見るとSkyDriveが制して4000円/年(月額換算約333.33円)が最安値。Google Driveも$4.99と、現在のレートで換算すると400円以下で利用できる。
それ以上で見ると、DropBoxとSugar syncが500GBでほぼ肩を並べているが、一歩引いて見ればGoogle Driveの400GB・$19.99/月(およそ1,567円)のお得感が際立つ。Google Driveはさらに1TB~16TBまで5つのプランを提供している。なお、Yahoo!ボックスのサービス紹介では「1000GBプラン」が今後提供予定と表示されており、これがスタートすれば、通常料金でも1,000円/月、Yahoo!プレミアム会員なら300円/月という断トツの安さで利用できることになる。
対応端末はだいたい大丈夫だけど…
1~5のサービスについては、どれもPCにアプリを常駐させ、専用のフォルダ内を常にクラウド上と同期させる仕組みになっており、この点での使い勝手はほぼ同列。活用のポイントはモバイルの対応状況だ。どのサービスも専用アプリは提供しているものの、インタフェースなどの成熟度でいえばDropboxが一歩先を行っている印象がある。しかし、専用アプリの機能・使い勝手よりも、ここでは連携するファイルビューアや編集アプリの使いやすさのほうが重要だ。ストレージ(倉庫)よりも"店頭"の利便性や充実度が、利用者にとってはまず気になるものだ(もちろん、倉庫の性能に店頭が左右される場合もあるが)。その点においても、Dropboxは連携するアプリが多く、スマートフォンやタブレットには欠かせない存在になっていると言えるだろう。
この他、SkyDriveはブラウザ上でOfficeドキュメントの作成・編集が可能、Yahoo!ボックスはプリントサービスと連携など、細かいところで特徴やオプションの違いがある。まずは無料プランで、機能や利用したいアプリとの連携などを確認してみよう。
(記事提供: AndroWire編集部)